アスレティック コラム

Athletic column


小出敦也photo 小出 敦也 (こいで あつや)
[現職]:慶應義塾大学SFC総合政策学部講師
     (ウェルネス科目:非常勤)
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NBAにて、日本人初のアスレティック・トレーナーに就任。
’01〜’02年シーズン ボストン・セルティックス(ジム・オブライエン ヘッ ドコーチは、’91〜’92シーズン以来チーム初となるシーズン40勝以上(49勝)を達成)の、13年ぶりのプレーオフ進出、そしてディビジョン・ファイナル(対ニュージャージー ネッツ)まで戦い抜いたNBAプレーヤーを、コンディショニン グでサポートした。
また’02〜’03年シーズンには、セルティッスは怪我人の少ないトップ3チームとしてESPN(アメリカのスポーツ専門報道)に紹介された。
’04年帰国後、あんたかさんの紹介で、本塾バスケットボール部アスレティック・ トレーナーに就任。45年ぶりの2冠制覇(関東リーグ戦&インカレ)の原動力は、長いシーズンを怪我無く十二分に戦え抜くためのコンディショニング・サポートがあったおかげである。

 
  皆さん、こんにちは。慶應義塾体育会バスケットボール部専属トレーナーの小出敦也です。
 今回からアスレティックコラムと題して、トレーナーの活動やスポーツ医科学の豆知識などについて書く機会を与えていただきました。
あまり大した事はお話できないかもしれませんが、バスケットボールやトレーナーに興味のある方のために少しでもお役に立てればと思っています。 
 
 


◆3rd Step: 一流選手の条件

今回は、私が思う「一流選手の条件」をお話したいと思います。
私は、今までにNBAのトップアスリートからアマチュアの中・高生までいろいろな選手を見てきましたが、「どのレベルでも一流と呼ばれる選手には特徴がある」ことに気がつきました。
身長が高い、身体能力が高い、技術がある選手が一般的には考えられますが、これらは一つの要素でしかないと思います。
それよりも大切な事が、次の4つではないでしょうか。

1.自己管理できる

まず、トップアスリートになればなる程、「自分で体調管理をする意識が高い」事です。
 「ちょっと疲れて体がだるいのでどうにかしてください」と、トレーナーに自分の体を全て預けてしまう選手がいますが、トレーナーが24時間選手の体を見られるわけではないので「自分でコントロールすることが一番重要」です。
 試合後や練習後にはクールダウンをしっかり行い、アイシングや水風呂に入る、ストレッチを入念にするだけでマッサージをするよりもよっぽどの効果があります。プールでの運動や翌日の積極的休養なども効果大です。
 また、活動後30分以内の捕食による栄養と水分補給や2時間以内のバランスの取れた食事、そして、休養や睡眠も大切な要素です。
 プロの選手には、自分で痛みの緩和方法や治療についての専門書を読んで研究している人もいました。

2.体の感覚が鋭い

自己管理の話にもつながりますが、一流選手は「自分の体の感覚が鋭い選手が多い」です。
 どこの筋肉を使って走っているか、ジャンプしているか、姿勢はどうなっているかという事を理解しています。例えば「肩甲骨の内側の筋肉が張っていて機能していなく、今日は肩を上げる動作が鈍い」などと、日々のコンディションの違いを把握しようとする習慣があるのです。そうすれば、どのように改善していけば良いかが分かります。
 反対に普通の選手は、なんとなくウォーミングアップしたり、いつもと同じ練習をこなしているだけなので、調子が悪くても上手く調節できません。
 毎日やるウォーミングアップの動作も一つ一つを意識して行う人と行わない人では、1年後の成果はまったく違うのは当たり前ですよね。
 体の感覚が鋭い選手は、「自分の弱点を把握することができる」のでその弱点をトレーニングによって補おうとします。ただのウエイトや持久力トレーニングだけでなく、更に細分化して体の一部位や一動作を向上させるトレーニングをしていくことができます。

3.練習の量と質

なんと言っても「練習量が通常の選手とは違います」
 NBAの選手のシューティング量は、シーズン中(週に3〜4試合がある)でも1日500本は朝飯前です。決定的に違うのはその質です。シューティングにしてもゲームスピードのパスをコーチから受けてきちんとミートして、ゲームスピードのジャンプシュートを行います。ただ自分の感覚だけで打っているシュートは、何本打っても意味がありません。シューティングは、本来とてもきつい練習なのです。
 アメリカのチーム練習は、2時間以内で終わり短いと言う人がいますが、見えないところでの自主トレで2〜3時間、ウエイトトレーニングで2〜3時間位は行っているのです。そして何よりもボールの付きだし方、ステップ、スクリーンなどバスケットの基礎練習を普段からしっかりと行っているのが一流選手です。
マイケル・ジョーダンの凄さは、その基礎技術が完全にマスターしているからだと思います。

4.自分の可能性を信じる

そして最後に一番大切なのは、「自分の可能性を信じて常にチャレンジし続ける選手」です。
 誰もが、一流アスリートとしてスタートするわけではありません。自分の今の限界を常に超えようと「向上心を持ってレベルアップする努力を惜しまない選手」、「自分を信じられる選手」が成功できる選手だと思います。「筋肉がNoと言ったとき、私はYesと答える。」という言葉はまさに選手にとって必要なことです。
 普段からChampionのように練習し、行動し、人と接し、プレイし続けられる人だけが、Championになれると思います。

   

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