インタビュー実施日:2023年4月16日(日)
江畑:はじめまして。学生スタッフの江畑尚音と申します。本日はよろしくお願いいたします。
木村:2018年に環境情報学部を卒業しました、木村能生と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
江畑:卒業後、現在はどのようなお仕事をされていますか?
木村:今は日本ゼオンという化学メーカーで、合成ゴムの営業をしています。
タイヤや車のエンジンについているホースなどの原料を扱っている、川上の化学メーカーになります。
江畑:現在のお仕事をしようと思ったきっかけは何ですか?
木村:就職活動時代は主にモノづくりに携わりたいと考えていました。
バスケットボールは5人でやるものなので、自分で点を取らなくても誰かが取ればいいし、現役の時も陰から支えるタイプだったので、目に見えないところでモノを作ったり、生活に必要なものを供給したいと考えていました。
江畑:高校から大学への進学時に、慶應義塾大学を選択した理由は何ですか?
木村:きっかけは高校時代の顧問の先生からの提案でした。中高と文武両道を続けてきて、大学でも勉強を優先しながらバスケが続けられる環境がある慶應義塾を選びました。
顧問の先生に勧められて自分で調べていく中で、一般に早慶上智(早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学)と呼ばれる私立大学の中でも、慶應義塾にはスポーツ推薦がないという点で一線を画していると感じましたし、レベルの高い環境にチャレンジできるというところに魅力を感じました。
江畑:入学前はどのようなイメージを持たれていましたか?
木村:高校生の頃に一度練習を見学させていただく機会がありました。
私は京都府の東山高校出身だったこともあり、蛯名さん(2014年卒)、伊藤さん(2015年卒)、大元さん(2016年卒)と洛南高校(京都府)出身の方々に憧れを持っていて、2部から1部に上がるぞという気迫に圧倒されました。
江畑:入学前後でのギャップはありましたか?
木村:見学時と入部時でヘッドコーチが変わったこともあって、雰囲気は大きく変わったのかなとは思いました。
一方で、大人からの指示を聞くだけでなく、学生主体で動くという点においては変わらずで、慶應ならではの良さだと思います。
江畑:どのようなバスケ部生活を送っていましたか?
木村:SFCで出席が必要な授業が多かったので、時間割をうまく組んで、週に3-4回はキャンパスに行っていました。
私は奨学金を借りていたので、授業と部活動とアルバイトをうまく両立していました。
江畑:バスケ部に入って良かったと思うことは何ですか?
木村:体育会バスケットボール部だけでなく、慶應義塾として、人との縁や縦の繋がりはかなり強いと感じています。
大学を卒業して社会に出てから、慶應バスケ部出身というだけで様々な人との繋がりを持てるようになるのは体育会の良さでもあります。
特に学生時代は他の体育会との繋がりは大事にしていて、下田寮を起点に様々なコミュニティーで仲良くしたり、お互いの早慶戦に応援にいったりしていました。
社会人になってからは、同じ会社で慶應というだけで繋がれたり、簡単に仲良くなれる感じがあります。
普通は、違う部署や大学で斜めの繋がりはほとんどないですが、慶應というだけで心の繋がりを感じられるのは慶應義塾ならではの特徴だと思います。
江畑:体育会バスケットボール部で学んだことが生きた経験はありますか?
木村:学生時代から意識していた、「考える」ということが今も生きていると思います。
目の前のことでいっぱいいっぱいになることもあると思いますが、そのときに目的は何かを普段の練習の中から考えていました。
仕事において、目的を考えることは難しいことだと思います。与えられたことをやるだけになりがちですが、そこで目的を考えることで、逆算してこうした方が良いという意見が出せるようになったりします。
学生時代から意識的に行動したことで、社会に出ても自然とできるようになっているのかなと思います。
江畑:考える力はいつ頃から身につきましたか?
木村:大学入学時はできていなかったと思います。学生主体という環境において嫌でも考えさせられたことで成長しました。
同期とのミーティングはたくさんしましたし、問題が起きる度にまた話し合うなどを何度も繰り返しました。
私たちの代は、メンバーそれぞれの個性が強く、まとまるのがなかなか難しかった代だと思います。全員が100%同じ考えを持つことは難しいですが、意見が合わないなりに折衷案を見出していくことは大事だと思いましたし、学べた点だと思います。
考える人は社会に出てから大きく伸びますし、結果も出して役職にもついたりということがあるので、考えることは大事だと思います。
江畑:慶應バスケ部の特徴は何ですか?
木村:学生主体というのは他大学にない魅力だと思います。
大人からの指示で動くのではなく、学生間でこうしたいという考えを実行に移すことができます。メニューを自分たちで組んだり、勝敗に関わることを自分たちで考えていました。
そしてなんと言っても三田会の存在です。社会に出てからも繋がりがありますし、本来ないはずの繋がりができます。
江畑:現役時代で最も印象に残っている試合はありますか?
木村:1年生の時の早慶戦が最も印象に残っています。
ベンチだけでなく、試合を観にきている観客席の人たちも一緒に、会場が一つになって早稲田を倒すぞというパワーを感じて、自分もこの舞台に立ちたいと思うようになりました。
江畑:体育会バスケットボール部に入って良かったと思いますか?
木村:それは心から良かったと思います。
上手くいかずに悩んだ時もありましたが、4年間やり遂げて良かったです。
東山高校からの進学は自分が初めてで、後輩が継続的に入ってほしいという思いも持ちながら頑張りました。
江畑:最後に入部を考えている学生に対してメッセージをお願いします。
木村:慶應義塾大学に入学するのは、受験を乗り越えなければならないため、簡単ではありません。
ただ、入ってからの学びはどの大学よりも多いと思います。
慶應の体育会の凄さは社会人になってからの方が分かる場面が多いです。学生の皆さんは目先のことに精一杯かもしれませんが、チャンスがあるなら受けて欲しいと思います。
社会人になってからは絶対に入って良かったと思えます!
江畑:本日は貴重なお話をありがとうございました。
木村:ありがとうございました。