梅木理沙(2020年卒 / 日本テレビ勤務)

写真提供:梅木理沙氏

河内:今回インタビュアーを務める経済学部4年の河内英慧(CN:ヒマ)です。よろしくお願いします!はじめに簡単な自己紹介をお願いします。

梅木:慶應義塾女子高校(以下:女子高)出身、慶應義塾大学経済学部2020年卒業の梅木理沙です。現在は、日本テレビ放送網のスポーツ局で選手の取材やスポーツ番組を担当しています。

河内:よろしくお願い致します!梅木さんはバスケットボールをいつ始めましたか?

梅木:小4の時からはじめました。幼稚舎のバスケットボール部にも入っていて、地域のミニバスにも所属していました。中等部、女子高でもバスケットボール部に所属し、キャプテンを務めていました。

河内:では、大学バスケットボール部への入部は、いつ頃から考えていましたか?

梅木:高校を卒業してから考えました。高校で全てを出し切ったと思うことができていたので、当初は選手として活動することは考えておらず、体育会に所属しながらも母校でコーチとして活動することを考えていました。

河内:なぜ高校コーチとして、体育会に入部をすることを考えていたのでしょうか?

梅木:小中高と慶應バスケ部の縦の繋がりを実感してきて、その繋がりを大切にしたいと思っていたからです。また、体育会女子バスケ部に憧れの方がいらっしゃったからです。

河内:当初、高校コーチを考えていらっしゃったと思うのですが、なぜ選手として入部をしたのでしょうか?

梅木:中学、高校と4番のユニフォームを着てキャプテンとしてコートに立ってきた中で、大学も4番のユニフォームを着てコートに立ちたいというような思いが心の中にあったからです。また、体育会への入部の動機でもあった、憧れの方に体育会バスケ部に選手として活動をすることを誘われたからです。

写真提供:魁生佳余子氏

河内:憧れの方というのは?

梅木:2017年卒業の中村実里さんです。高校時代に早慶戦の時に試合を見てからずっと憧れていました。

河内:実際に入部をしてみて、入部前に抱いていたバスケ部のイメージへのギャップなどありましたか?

梅木:ある程度体育会バスケ部について知っていたので、大きなギャップはありませんでした。ですが、想像していたよりも上下関係がいい意味でないと感じました。練習では、しっかりとお互い厳しさを持ってやっていたのですが、練習外ではフラットで、そこに意外性を感じました。

河内:確かに、今のバスケ部も私も入部当初驚きました!では、梅木さんは主将もされていたということですが、どのような経緯で主将をされることになったのですか?

梅木:同期の中でミーティングを何度も重ねて決めました。4年間である程度キャラクターが明確になってきて、その中で同期のバランスなどを見て私がやることになりました。

河内:そうなんですね。では、主将としてチームを引っ張る上で何を意識されていましたか?

梅木:同期内である程度役割が明確であったので、自分1人が中心に立って強いリーダーシップで周りを引っ張るのではなく、全員が合わさった時に足りない部分を補充することを意識していました。また、個人としては、2つの事を特に意識していました。1つ目は、「当たり前のことを当たり前にやる」ということです。これは入部をしてから4年間ずっと大切にしてきたことです。2つ目は「笑いと上機嫌は伝播する」ということです。苦しい時なども常にこのモットーを大事にして、笑顔でいることを意識していました。

写真提供:魁生佳余子氏

河内:引退されてから暫く経ちますが、慶應バスケ部に入って良かったと思うことは何ですか?

梅木:はい、2点あります。1点目は、同期という存在に出会えたことですかね。卒業して会う友達と言えば、本当に仲の良い友達とバスケ部同期です。特にバスケ部の同期に関しては苦楽を共にしてきたからこそ、分かり合えているというか、今でも些細なことを近況報告しあっていますね。
 2点目は、私の仕事柄なこともありますが、「慶應の体育会でバスケをしていました」と言うと取材する選手やバスケ関係者からの信頼を得ることができます。特に、体育会の繋がりなどは社会人になってから強く感じていて、バスケットボール三田会だけでなく、体育会出身の先輩方が沢山支えて下さっています。また、今でも大学時代に戦った戦友や学連の同期であったりと大学バスケで出会った人とお仕事することも多く、お仕事をしやすい環境だと思います。このような人脈を通して、ありがたいことにバスケ関連のお仕事はずっと担当させてもらえて、日テレのバスケ=梅木という風に思ってもらえてるかなと思います。

河内:では、慶應バスケ部の特徴は何だと思いますか?

梅木:週5回の練習に、2日のオフが決まっているので、自身のスケジュールをマネジメントしながら大学生活を送ることができることが魅力かなと思います。もちろん、その週2回のオフを遊ぶこと、勉強すること、アルバイトすることなどにも使えますし、それだけでなく自分の裁量で自主練などバスケットボールに注ぎ込むこともできます。本気でバスケがしたいと思う方にとって最高な環境は整っていると思います。

河内:慶應バスケ部の魅力は何だと思いますか?

梅木:よくも悪くも派手すぎず、硬すぎないことかなと思います。また、自ら選択できる環境があることだと思います。バスケをやったことある人は一度は体育会でバスケを続けることを考えるとは思うのですが、ここでは「最後の学生バスケを続ける価値がある」と思います。スポーツ推薦を導入している他大学とは異なり、挑戦できる環境があることだと思います。

河内:現役時代で最も印象に残っている試合はなんですか?

梅木:大学2年生の入れ替え戦で負けてしまった試合です。お客さんではないのだと分かっていながらも少し甘い自分もいて、何もできなかったことの無力さを実感しました。「勝たなければ意味がない」、「お遊びでバスケをしているのではない」、体育会とはそういうものなのだと再認識しその日から、チームのために出来ることを自分自身が責任を持って行動するようになりました。また、最後の六大学戦は印象に残っています。リーグ期間は全員でユニフォームを着て、試合に出ることはできなかったのですが、六大学戦はみんなで出場をすることができて、本当に嬉しかったことを今でも覚えています。

河内:現役時代、体育会バスケ部は文武両道の実践ができる環境でしたか?

梅木:私は経済学部で内部生だったので友達からの情報収集やテスト前の勉強で、ある程度、文武両道を実践できていたかなと思います。同期でも理工学部が1人いて、その子は真の文武両道を実践していたかなと思います。彼女は、朝練や自主練は授業の関係で来ることはできていなかったのですが、週に5回の練習で120%で練習をしていました。もちろん、自主練などのプラスアルファも重要ですが、常に練習で120%を出し切ることは今の現役の皆さんにも大切にして欲しいですね。

写真提供:魁生佳余子氏

河内:はい。大切にしようと思います!ありがとうございます。少しお話が変わりますが、なぜ今のお仕事をしようと思われたのですか?

梅木:元々、アメリカのカレッジスポーツが好きで、スポーツビジネスに興味がありました。そのため、社会人になってもスポーツに関わりたいと考えていました。正直言うと関わり方はなんでもよくて、マスコミは20代に挑戦したいお仕事だと思ったのでテレビ局に入社しました。

河内:バスケ部での活動が今どのように生きていると思われますか?

梅木:まずは、他の人と比べられないくらいバスケに関われることです。また、学生時代の考え方が今も生きているかなと思います。「当たり前のことを当たり前にやる」「笑いと上機嫌を伝播する」という今まで大切にしてきた考え方は要所要所で必要となっています。確かに、仕事では部活よりもきついことも沢山ありますが、自分でやると決めたことを当たり前にやり笑顔で頑張ることを心がけています。

河内:今後バスケとどのように関わっていきたいですか?

梅木:まずは、2023年バスケットボールW杯を多くの人に認知してもらいたいですね。今年は沖縄で開催されるのですが、東京でW杯がいつか開催できればなと思います。また、現役のみんなには学生スポーツの素晴らしさを伝えていきたいです。現在、私が携わるプロの選手は、仕事としてスポーツに携わっていることが多くて、その一方で学生スポーツはお金など関係なくても一人一人が頑張る、儚くて素晴らしいものだと私は思っています。その素晴らしさを多くの学生に伝えていきたいです。

河内:入部を考えている高校生に一言下さい!

梅木:「考えている」、その時点で入ったほうがいいよと私は言いたいです。考えているということは選択の一つに入れていると言うことですし、挑戦してみて後悔をすることはないと思います。私自身もこの4年間沢山良い経験をさせてもらえました。確かにただただ楽しい4年間ではありません。ですが、本当に充実していて、社会人になって本当に4年間やってきて良かったと強く思っています。

河内:最後に「慶應らしさ」とはズバリ!?何だと思いますか?

梅木:やはり「縦の繋がりが強固」であることかなと思います。入社してから、ずっと応援してくれて、関わりがなくても自分の後輩だと思って接して下さるのは本当に慶應ならではかなと思います。

河内:本日はありがとうございました!今後とも応援を何卒よろしくお願い致します!