入試合格・内部進学体験記
2020年度 一般受験:岡崎祐也
学部:経済学部
出身高校:岡山朝日高等学校
<志望動機>
僕が慶應を志望した理由は、二つあります。一つ目は、学業面で、経済学や語学などの勉強のための充実した環境があり、自分のやりたい勉強ができるからです。二つ目は、慶應には、学問やスポーツなどの様々な面で優れた人が多いイメージがあり、自分にとって成長できる場だと思ったからです。慶應の卒業生が様々な業界で活躍されており、自分も将来社会で人のために働き、活躍できる存在になりたいと思います。
<受験準備内容>
僕が受験した経済学部A方式では、英語200点、数学150点、小論文70点の合計420点となっており、教科数が少ない分、各教科を全て強化する必要があります。
英語は三教科の中で最も配点が高く、最も重要な教科だと思います。経済学部の問題では、長文読解問題三問と英作文二問の計五問で、時間は100分と短くなっています。
長文読解問題は、三題で文量はそれほど多くないため、素早く正確に問題を解く必要があります。単語や文法などの基礎を定着させ、過去問や他大学の入試問題を解き、長文読解問題の対策をしました。また、三題とも経済に関する話題なので、経済関連の単語や時事問題の確認を行いました。
英作文は、和文英訳と意見陳述の二問があり、配点も高いので、十分に対策する必要があります。和文英訳は、会話文形式が多いので、口語表現の書き換えの練習を多く行いました。意見陳述では、長文読解問題の内容について、引用しながら自分の意見を述べる形式になっています。そのため、長文読解問題を解きながら内容を理解し、自分の意見を英語で表現する力が必要です。
英語の問題形式は毎年あまり変わらないので、過去問に取り組むことで対策できると思います。
数学は大問が六つあり、前半がマークシート形式、後半が記述形式になっています。マークシート形式の問題は、標準的な問題が多く、素早く正確に解く必要があります。記述形式の問題も難問はあまり出ないので、標準的な問題で対策しました。問題が多く、解答時間も短いので、日頃の勉強から時間を意識して、問題に取り組みました。
小論文は、現代社会の問題がテーマになることが多いので、日常的に新聞やニュース番組などで様々な情報や考え方に触れるように意識しました。試験時間が60分なので、素早く自分の考えをまとめ、相手が理解しやすいように文章を構成する必要があります。練習では、添削をしてもらうと良いと思います。
<バスケ部について>
本塾のバスケットボール部では、チームファーストの考えのもと、一人一人が自分の役割を考え、その役割に徹することで、チームへ貢献することを大切にしています。チームでの自身の存在意義や役割を考えることで、自分自身と向き合い、成長できると思います。また、文武両道を大切にしているので、バスケットボールだけでなく、様々な学問や価値観に触れることができます。
2020年度 一般受験:山口智大
学部:文学部
出身高校:海城高等学校
<志望動機>
私が慶應を志望した理由は大きく分けて二つあります。一つ目は、様々な分野で高いレベルの講義を受けることができるからです。慶應義塾大学には、私立大学の中では最難関と言われる一般入試は勿論、AO入試やFIT入試などの狭き門を突破した、多岐にわたる分野の優秀な学生が全国から集まってきます。そのような学生たちと共に高いレベルの講義を受けられることは、自分にとって非常に魅力的に感じました。さらに、慶應義塾大学という環境は、授業外の時間でも強い刺激を受けることができると考えました。そして、もう一つの理由は、2019年度の第77回早慶戦を観戦して、このチームの一員としてコートに立ちたいと思ったからです。
<受験準備>
高3の6月まで部活をやっていたため、クラスメイト達からは半年ほど遅れて、本格的な受験勉強をスタートするという状態でした。私が受験すると決めた学部(入試方法)は、慶應の経済学部A方式、商学部A方式、文学部、総合政策学部(英数)、環境情報学部(英数)のみであったため、国語の勉強やセンターの対策は一切しませんでした。入試を受けるにあたり、数学を使うかどうかはかなり悩みましたが、高2の冬頃の私の成績の中で最も良かった科目が数学であったため、数学を利用するA方式を受験することにしました。
私は1週間程度ごとにおおよその学習計画を立てて勉強を進めました。その週に何時間程度勉強するのか、各教科をどの曜日に何時間程度割り当てるのかを決めると良いと思います。私は常に英語に重きを置いていましたが、特に夏休み中は1日に13時間勉強するとしたら9時間は英語に割いていました。慶應は英語の得点配分が大きいという特徴があります。英語に不安があるという方は、歴史などの勉強時間を削って英語の基礎を固めることを優先させるというのも一つの手だと思います。また、英語と数学の過去問は10月ごろから、日本史の過去問は11月頃から解き始めました。
<各教科の勉強方法について>
先述した通り、慶應を受験する上で最も重要なのは英語です。ワード数が比較的多く何度も読み直す時間が無いため、ある程度の速読力と精読力が要求されます。細かい勉強法については各々に適した勉強方法を見つけることが重要だと思いますが、個人的には過去問を上手く使うことが大切だと感じました。私は法学部以外の過去問を問題演習も兼ねて、用意できる分だけ解きました。異なる学部の入試問題であったとしても、似たような傾向の問題が見られたり、全く同じイディオムが問われたりすることがありました。また、SFCは文中や選択肢内の単語の難易度が高いため、過去問を解いていて自分の単語帳では網羅しきれていないと感じたら、少しマニアックな難易度が高めの単語帳に触れてみるのもいいかもしれません。
日本史は一問一答と用語集を中心に勉強しました。国立大学に比べれば単語知識のみを聞いてくる問題が多いですが、法学部や経済学部、文学部(日本史)では論述問題が出題されるため、語句のインプットのみでは対応しきれません。一問一答に対応するものでも良いと思うので、問題集を通してアウトプットを行い、流れを説明できるようにすることが大切だと思います。「~年に~が起こる」とだけ覚えていても、流れを説明する問題や、月単位の年代配列問題などでは完答できません。
小論文対策に関しては、SFCの小論文は他学部の小論文とは全くの別物なので、SFC以外の学部の小論文対策に限定して勉強方法をご紹介いたします。結論から言うと私は、小論文は学校で組まれていた講習のみで対策を行いました。あまり差がつかない科目と言われることも多いですが、苦手意識がなくなる程度まで過去問演習から添削の流れを繰り返しました。所謂ネタ本というものを読んでも良いかもしれませんが、日常的に時事問題をニュースなどで把握すれば十分だと思います。また、学校の授業中に触れた現代文や英語の問題の内容を、小論文の過去問を解いている時に見かけたりすることもありました。小論文に大きく時間を割く必要はありませんが、常にアンテナを張っておくのは大切かもしれません。
他にも、勉強する環境も大切だと思っています。私は学校に近い場所にある、いわゆる大手では無い塾に通っていました。その塾の自習室はとても居心地が良く、朝から晩まで同じ場所で勉強し続けることができました。受験生の皆さんも自分が勉強しやすい場所を見つけることをお勧めします。自室でやるのはダメ、喫茶店でやるのはダメ、といった意見を耳にすることもありますが、これに関しては本当に人それぞれだと思うので、自分が集中して勉強できる環境であればどこでも良いと思います。
以上が主に私が実践していた勉強方法です。少しでも受験生の皆さんの役に立てば幸いです。
<バスケットボール部について>
本塾のバスケットボール部は学生主体となっており、各々が「チームに貢献するにはどうしたら良いか」を追求することによって、質の高い練習を行っています。
また、学業の面においても高い意識で取り組んでおり、文武両道を目指し日々活動しています。もちろん、大学の部活なのでハードな一面もありますが、その分自分を大きく成長させることができる環境です。
2020年度 一般入試:町村真子
学部:法学部法律学科
出身校:田園調布雙葉高校
<志望理由>
私は家族が全員慶應出身という環境で育ったため、慶應は幼いころからとても身近な存在であり、進学先を考えるときも常に選択肢の中にありました。しかし、本格的に志望校について考えた際に、第一志望としては国立大学を選択し、慶應は併願校として受験することを決めました。高校2年生の冬ごろ、志望していた国立大学の受験方法が特殊であり、併願校である慶應に事前に受かっていれば国立の対策に専念できるだろうという考えから、慶應の法学部FIT入試とSFC-AO入試を受けることにしました。志望理由書を書くため慶應や学部の特色ついて自分で調べたり、さまざまな人にお話を伺ったりしました。その中で慶應義塾の魅力を多く知り、本気で慶應義塾大学に行きたいと思うようになりました。私は学校の成績があまり良くなく、AO入試の準備期間も他の受験者より短かったため、AO入試には合格することができませんでした。しかし、このことがきっかけで志望校を慶應義塾大学に変更し、一般受験に向けて勉強し始めました。その中でも、将来どの分野で働くにしても絶対に役立てることのできる法律を学びたいと思い、法学部法律学科を第一志望にしました。
<受験勉強>
私は幼稚園から高校まで一貫校に通っていたため、大学受験が人生で初めての受験でした。そのため、受験というものに現実味がなく、高校3年生の夏休みまでは塾に通う以外は受験勉強と呼べるようなことをほとんどしていませんでした。しかし、AO入試に失敗し、受験で落ちるということを実際に経験したことによって危機感が芽生え、そこから本気で勉強を始めました。しかし、入試まで時間がなかったため、苦手な古文と漢文になるべく時間を割かないように併願校を選び、その分を慶應の受験科目対策に充てられるようにしました。
英語は長く塾に通っていたため元々得意でしたが、暗記が苦手で単語がなかなか身につかなかったため、前後の文脈から推測したり、単語の語源から考えたりする方法を取りました。慶應の英語の試験は単語がとても難しく、単語帳に載っていないものも出題されるため、この方法はとても役立ちました。
小論文はAO入試対策から継続し、最初は2週間に1問、年末くらいから1週間に1問のペースで書いていました。試験前にはどのような話題が出たときにどの具体例を使うかをまとめ、どのような話題が出題されても応用できるように準備しました。
世界史は通史が一周終わった後はひたすら問題演習を解きました。その中で間違えたり覚えていなかったりしたものがあれば、用語集にチェックを入れ、付箋を貼り、暇さえあれば用語集を見ることを繰り返しました。また、慶應の特に法学部の世界史は非常に細かい知識まで出題されるため、過去問などに用語集にはない単語が出てきたら、書き込んだり苦手な分野をまとめた紙を表紙の裏に貼ったりして、用語集一冊あれば自分の苦手なところがすべてわかるようにしました。これは受験当日も持参し、試験が始まる直前まで確認していました。
<バスケットボール部について>
私は小学5年生の時にバスケを始め、中学・高校での5年間もバスケ部に所属していましたが、思い切りバスケに打ち込める環境ではありませんでした。部活動に力を注いでいる学校ではなかったため、平日は1時間半しか練習できず、決してレベルが高いと言えるようなチームではありませんでした。また、顧問の先生が忙しくて練習に来られないことも多く、自分たちでメニューを考えて練習したり、夏休みには大会直前に2週間部活ができない時期もあったので、自分たちで体育館を借りて練習したりしました。そのような環境で完全燃焼できなかった私は、大学では絶対に体育会バスケ部に入り、本気でバスケをすると決めていました。そのため、志望校選びでも女子バスケ部の有無やレベルは最優先事項でした。
慶應義塾体育会女子バスケットボール部はそんな私にとって最高の環境と言えます。一人一人の志が高く、全員が真剣にバスケットボールと向き合い、切磋琢磨しています。また、自分よりもバスケスキルの高い人が多くいる環境なので、様々なことを学び、吸収し、毎日少しずつ自分が成長できているのが実感できます。このような素晴らしい環境でプレーできることは、大学生活を充実させるだけでなく、今後の自分の人生に良い影響を与えてくれると確信しています。
2020年度 一般入試:河内英慧
学部:経済学部
出身:東洋英和女学院高等部
<志望動機>
私は高校生の時に大怪我を経験しました。手術と長いリハビリの間に「自分はバスケが好きだ、このままでは不完全燃焼で終わってしまう」と感じ、大学でもバスケを続けたいと考えるようになりました。バスケを続けることのできる大学を調べているうちに、多くの大学がスポーツ推薦で選手を集めるなか、慶應義塾体育会バスケ部へはすべての学生に門戸が開かれていることを知り、入部したいと考えるようになりました。しかし、現役の時は、慶應義塾大学への入試は補欠という結果でした。補欠の繰上げ合格がなかったら浪人をするか、それとも受かった他の大学へ行くかを悩んでいた時、クラスの担任の先生に、「浪人をしたからといって合格が保証されているわけではなく、人生の大きな転機になるので、浪人をするほど強い意志があるか、自分が目標にしていた慶應バスケ部を一度見学させてもらって決めたらいいのでは」と勧められ、実際に慶應のバスケ部の練習を見学しに行きました。そこでは、一生懸命、切磋琢磨しながらバスケをして輝いている先輩方がいて、必ずここに入りたい、諦めたら後悔をすると思い、「浪人をしてでもバスケ部に入りたいです。」と思わず先輩方に言いました。結局、私は繰り上げ合格をすることができなかったので、浪人をすることになったのですが、現役の時と変わらず、慶應を第一志望に勉強しました。
<受験勉強>
英語では、単語(速読英単語、速読英単語上級、リンガメタリカ、準一級単語)や熟語(解体英熟語)、文法(UPGRADE、全解説頻出英文法・語法問題1000)は受験前まで何度も繰り返し、抜けがないように完璧に取り組みました。また英文解釈(英文熟考上下、英文解釈の透視図)や多読(速読英単語上級、リンガメタリカ)は慶應の過去問演習を始める10月頃まで何度も繰り返し、難解な長文もスラスラと読めるようにしました。
日本史は、塾のテキストでインプット、参考書(実力をつける100題、HISTORIA)でアウトプットをし、プラスアルファの知識習得のため、年表や資料集・用語集を用いました。何度も繰り返し復習をしていくとともに、日本史の用語の意味や時代の流れを説明できるようになることを意識しました。
小論文は、比較的難易度の高い文章を理解して要約をする練習と自分の意見を述べる練習をしました。その上で、実社会の様々な問題に目を向けて、自分の意見を持てるようにしました。また、文章が論理的であるか、説得力があるかを問い続けるようにしました。
そして、全教科において何よりも力を入れていたのは過去問演習です。慶應の入試問題は、他大学とは異なり、かなり特殊な入試形式であるため、過去問対策次第で合格へ近づくことができるからです。
<バスケットボール部について>
慶應義塾体育会女子バスケットボール部は、バスケ技術面においても人間としても日々成長をすることができる場所だと実感しています。なぜなら、部員一人一人が常にバスケットボールという競技および組織における個々人の役割について主体的に考え、それらを学年問わず発信することが求められているとともに、昨日よりも今日、今日よりも明日、個人としてもチームとしてもより良くなれるように、上を目指し、行動をしているからです。
確かに、本気でバスケットボールに向き合う上で、悩むことや苦しいこともあると思います。しかし、学生のうちに本気で向き合い打ち込めるものがあること、そしてそれを一緒に頑張ることのできる仲間が得られることから、大学4年間を過ごす上でこのチームでは人一倍の充実感が感じられると思います。
2020年度 指定校推薦:阿部七奈子
学部:商学部
出身校:都立三田高校
<志望動機>
私が慶應義塾大学を志望した理由は2つあります。1つ目は、自分と向き合い、更に成長していくうえで最適な場であると考えたからです。高校生活を送る上で、常に文武両道を意識して生活していました。それを継続させ、大学生活において更に磨きをかけるために自分に必要なことを考えた結果、慶應義塾大学が最適な場であると思い志望しました。慶應義塾大学は学生のレベルも高く、受験当時は不安な気持ちもありましたが、その中で刺激をもらい努力していくことが、自分が成長するうえで最も良い道であると考えました。
2つ目は、慶應義塾大学の「独立自尊」の理念がとても印象に残ったからです。自他の尊厳を守り、何事も自分の判断・責任のもとに行うことを意味する「独立自尊」の精神に魅力を感じました。
また私が商学部を志望した理由は、本学部の基本理念にあるように、経済社会現象に対する自主的関心と豊かな発想をもって体得した商学の知識を積極的に問題解決に適用し、社会に貢献していきたいと思ったからです。本学部で学ぶ知識は、将来様々な分野で生かすことが出来ると考えています。
<受験勉強について>
私が指定校推薦を意識し始めたのは、高校3年生からです。
それまでは、毎回の定期試験において、学年順位で1桁をとることを目標に試験に臨んでいました。試験期間に限らず、普段から通学時間を利用して英単語や暗記科目を学び、理系科目は試験前に多めに時間をとって問題集を何周も解いていました。ひとつひとつを深く理解しアウトプットできるようにすることを意識した予習・復習の積み重ねが自分にとって最も良い勉強法だと気づき、継続することで結果が伴ってくるようになりました。この勉強法を確立するうえで最も大切なことは、生活リズムを崩さないことです。徹夜で勉強したり、睡眠時間を無理に削ったりすることはせず、決まった時間内でいかに集中し、質の良い学習ができるかということに重点を置きました。
受験日が近づくにつれて、学年全体に緊張感が増していくなか、自分は指定校推薦という形で慶應への合格が決定していました。しかし、センター試験を受けることは決まっており、それまで積み重ねた学習を無駄にせず自分のベストを尽くすために、気を緩めず周りの皆と同じように朝・放課後は学校で勉強を続けていました。センター試験本番は思うようにいかない部分もありましたが、自分自身やりきったと感じたので。これらの経験は自分にとってとても大きな財産となっています。
<バスケットボール部について>
私は小学4年生の頃にバスケットボールを始め、中学・高校とバスケを続けてきました。
中学時代は毎日部活があり、バスケ中心の生活を送っていました。自分のバスケの基礎は中学で培われたものであると思います。中学3年間を過ごし、高校からは新たな環境でバスケを楽しみたいと思い、都立高校への受験を決めました。私の通っていた高校では、体育館を使える回数が少なく、思うように練習ができない時期もありました。しかし、そのような環境のなかで、どうすれば勝つことが出来るのか、どうすればチームメイトのモチベーションを高められるか、ということをキャプテンになってから常に考えるようになり、更にバスケの奥深さや楽しさに気づくことが出来ました。
それらをさらに追及するためにも大学でバスケを続けたいという思いがありました。やるからには真剣に、自分にとって価値のある4年間にしたいと考え、体育会バスケットボール部への入部を決めました。
現在は、入学前に練習体験をした時から感じていたチーム練習の雰囲気の良さや、学年関係なく発信し合い全員で練習を作り上げていくチームスタイルのなかで、充実した生活を送っています。
これから多くの時間を共に過ごす仲間と切磋琢磨し、互いに高め合いながら充実した4年間を過ごしたいです。
2020年度 塾内進学(女子高):小菅千恵
学部:環境情報学部
出身校:慶應義塾女子高校
<志望動機>
私は慶應義塾中等部・慶應義塾女子高の6年間バスケ部に所属していましたが、高校で引退したときには大学でバスケを続けることも体育会のマネージャーになることも全く考えておらず、好きなように大学生活を送ろうと考えていました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって自粛生活を強いられることになり、4年間をどう過ごすか改めて考え直す時間ができました。できる限り多くのサークルや体育会のオンライン説明会に参加して、自分に最適な場所を見つけ出そうと奔走する中で、原点に立ち返り「自分はバスケが好きだ」ということを再確認することができました。高校までプレーヤーとして培った知識と高校でも主務を務めていた経験を生かそうと考えたときに辿り着いたのが体育会バスケットボール部のマネージャーという選択でした。
この時点で既に5月、慌ててオンライン説明会に参加させていただいたところ、とても雰囲気が良く、「私の居場所はここだ!」と直感し入部を決意しました。遅れて入部することに不安はありましたが、高校まで共にプレーしていた先輩がフォローしてくださったことですぐに打ち解けられました。
<入部までの時間の過ごし方>
大学入試がない分、引退後にたくさん時間があることが内部進学の最大の利点であると思い、現役時代は時間がなくて取り組めなかったことをやろうと意識して過ごしていました。学校行事の実行委員を務めたり、友人と遊びに行ったり、趣味に没頭したり、たまにバスケの練習を覗きに行ったりと自由気ままに過ごすことで、今までに出会ったことがないものに触れる機会が増えました。結果として、自分の新しい一面を知ることができ、視野も広がったように思います。できる限り自分の欲求に任せて生活することをお勧めします。そして、ここまで自分のために時間を使える機会は少ないと思うので、自分磨きに時間を費やすことも大切だと感じました。
また、時間に余裕があるため、将来について考えることができました。自分が本当にやりたいことは何なのか、そのために必要なことは何か、やるべきことは何かなどと細かいところまで考えておくことができたので、長期的なスパンでスケジューリングができました。今、やらなければならない事が明確化しているので部活と勉強の両立が以前より容易になっていると感じています。大学入学までの時間は、考える時間に充てることを強く推奨します。
<バスケットボール部について>
慶應義塾体育会バスケットボール部の良い点は、コーチングスタッフやOB・OGなど多くの方々のお力添えをいただいて活動している中でも、学生主体で活動する部分が多いところにあると感じています。私は中等部と女子高ではプレーヤーとしてバスケに携わっていましたが、大学でスタッフとして携わるようになり、学生が主体となって組織活動のさまざま側面を企画・運営していることをより強く魅力に感じるようになりました。
そして1番の魅力は、全員が一つの目標に向かって切磋琢磨して練習している姿にあると思います。このように目標に向かって泥臭く練習に励むことができるのは大学生が最後のチャンスになると思うので、4年間の大半を過ごすのに最適な環境だと感じています。
2020年度 AO受験Ⅰ期B方式:野本美佳子
学部:総合政策学部
出身校:東京成徳高校
<志望動機>
私は将来、スポーツ現場におけるライフスキル教育を普及させることで社会に貢献したいと考え、慶應義塾大学SFCへの入学を目指しました。
ライフスキルとは、コミュニケーション能力や問題解決能力、リーダーシップなどの概念の総称で、1994年にWHO(世界保健機構)が提唱した社会的能力のことです。スポーツを通じて身につけたライフスキルは、競技を引退した後にも残り、その後の社会生活でも能力を発揮すると言われています。
私は中学・高校の部活動や学校生活を通してライフスキルの重要性に気づくことができました。しかし、それと同時に、全国的にはスポーツ現場においてライフスキルという概念は十分に普及・実践されておらず、課題も多い事実を知りました。
ライフスキルの新しい学びの場を提供するためには、専門的な知識を身につけることに加え、そのクリニックの作り方やコーチング、組織論、心理学など様々な分野を学び、習得しなければなりません。文理融合で多角的に自分が学びたいことを追求できるSFCは私にとって理想的な学部でした。
また、中学・高校で文武両道を目標としてきた私は、大学でも部活動を継続したいと考えていました。慶應義塾体育会バスケットボール部の先輩方の話を聞き、バスケットボールへの情熱や練習に取り組む姿勢などに大いに刺激を受け、入学後は私もこのチームでプレーしたいと思い、志望に至りました。
<受験準備>
SFCのAO入試は1次試験と2次試験の2段階に分かれています。
私がSFCを受験することを決心したのは高校3年生の4月でした。その時、12月までは高校の部活動が続き、他の学生よりも受験勉強にかける時間が圧倒的に少ないことは分かっていました。しかし、この差は自分で努力すれば埋める事ができると思い、部活動以外の時間は受験対策の時間として確保し、その少ない時間の中で入念な準備に打ち込みました。
まず、1次試験となる志望理由書の作成では、自分の実体験をもとに、いかにSFCで学びたいかが読み手に伝わるように記述することを意識しました。他の大学でも学べるようなこと、誰でも言えるような一般常識を書いても他の学生と差がつきません。また、この志望理由書の内容は2次試験の面接の際に面接官から詳細に質問があるので、何度も自身の経験と擦り合わせて、深く考える事が大切です。
2次試験の面接では、専門的な知識を持った面接官から質問される可能性があります。その際、どのような質問に対しても回答できるよう、提出書類全てに対して想定される質問を考え、書き出しておくことをお勧めします。自分の関心のある分野の教授が書いている本や周辺情報を調べることで多くの知識を身につけることなど、万全の対策をし、面接に臨みましょう。
また、面接準備の際、自身の志望理由を醸成することを目的に、志望理由の詳細を友人に聞いてもらいました。「なぜ、志望するのか?」「なぜ、SFCなのか?」「なぜ、その考えで将来を描くのか?」を他人に理解してもらう過程で、自身の理解は確実に深まりました。
<未来の受験生に向けて>
AO入試受験は必ず合格出来る保証はなく、不合格のことも考えながら準備をしていかなければならなかったためとても不安でしたが、慶應義塾体育会バスケットボール部の魅力やSFCで学びたいという想いを強くもつことで、部活動とAO受験の両立をなしえる事ができました。
私は、部活をやっていたからこそ得られたものが大きく、それが合格の要因のひとつではないかと考えています。
受験をする上で心掛けてきたのは、日々の積み重ねを大切にすることでした。まとまった時間は取れなくても隙間時間を活用することで部活動と両立しながら受験勉強を進めることはできます。他の学生よりもまとまった時間がない分、自分から自由になる時間を積極的に作り出して受験勉強に費やしていくことが大切です。準備の段階で集中して取り組むことが、面接本番には自信に変わっていきます。自信を持って面接会場へ行くためにも、万全の準備ができるように頑張ってください。
<バスケットボール部について>
高校では選手が主体的に活動をすることには限界がありました。最終的には監督やコーチがメンバーを決め、チームのスタイルを決めていきます。しかし、本塾のバスケットボール部では全てが学生主体で進んでいきます。セットプレーや練習メニューを考案したり、ミーティングを行なったり、一人一人の行動次第でチームに大きな変化をもたらすことができます。私はこのチームスタイルがとても魅力的だと感じています。
また、高校でバスケをしている時は、全国大会出場や上位入賞を使命とするチームであったためにプレッシャーを感じながら常にプレーしていて、バスケを心から楽しいと思う瞬間はほとんどありませんでした。しかし、今は純粋にバスケを楽しむことができていると感じています。もちろん、チームの代表としてコートに立つ自覚と責任は、前と変わらず持ち続けていますが、このチーム全体がバスケを楽しむ、格上の相手に挑戦していく、という明るい雰囲気であるため、日々新しいチャレンジを続けることができています。
バスケのスキルをはじめ、人間的にも成長することができる最高の環境で、大学生活の4年間がかけがえのないものになると確信しています。
2019度 AO受験Ⅰ期B方式:水谷 祐葵
学部:環境情報学部
出身校:三重県立四日市工業高等学校
〈志望動機〉
私には、「スポーツを通して日本中に活気をもたらしたい」という夢があります。このような夢を抱くようになったきっかけは、小学3 年生の頃から取り組んできたバスケットボールにあります。今でこそ、八村塁選手のようなスーパースターが出現したバスケットボールですが、2年前の秋まで、その競技人口からは想像できないほどメディアでは注目されていませんでした。私は、その原因は、日本代表の国際舞台での実績不足と、メディアでの露出が少ないことにあるのではないかと考え、「競技自体の底上げ」そして「新たな観戦方法の提供」という2 つの面で、スポーツを通じた社会貢献をしていきたいと考えました。
具体的には、アスリートを支えるために医療機関とスポーツ教室を融合させたような「新しい概念のクリニック」の設立、そして、観る人を魅了するために、多くの人が集まる場所に、3D映像や音声システムを駆使した街頭ビジョンを設置し、ニューヨークのタイムズスクエアのような躍動感のある空間を作る事業を考えています。
この夢を実現するためには、スポーツ工学、脳科学、デジタルテクノロジー、心理学、経営学、法律学など様々な分野の学問を、多角的かつ深く学ぶ必要があり、これを成し遂げることができるのは、各分野で最先端の研究が行われている文理融合型の慶應義塾大学環境情報学部しかないと考えました。また、勉強や習い事、バスケットボールに全力で取り組んできた私にとって、学問にもスポーツにも一切の妥協を許さない慶應義塾大学は幼い頃からの憧れであり、入学後は体育会に所属し、文武両道を体現したいという強い思いがあり、志望するに至りました。
〈受験準備〉
私が慶應義塾大学受験の覚悟を決め、本格的に取り組み始めたのは、高校3年生の6月下旬でした。これは他のAO受験者と比べ大変遅いスタートだったと思います。
まず、2000字の志望理由書を完成させるために、「自分の将来やりたいこと」と、そのために「慶應義塾大学で学びたいこと」を整理する必要がありました。そこで、マインドマップを作り、それぞれのアイディアに肉付けをしながら文章を書くことで、考えを深めていく作業を行いました。また、クリニック起業を考えるきっかけとなったU18日本代表候補キャンプで受けた指導および全国大会での経験も述べることにしました。
↑高校3年時の全国大会の写真です。全国大会で戦った経験は今もかけがえのない経験として活きています。
次に、志望理由書には大学での学びの計画を述べる必要があります。私は、SFCの先生方の専門分野や研究内容などを詳しく調べ、自分の夢を実現するためにSFCでどのような学びが可能かを徹底的に考えました。志望理由書の内容に客観性を持たせるために、関連する分野の研究論文を読んだり、インターネットで大企業や省庁のホームページを調べたり、その分野に携わる人の記事を読んだりしました。時には良い考えが浮かばず焦ることもありましたが、学校の先生や先輩と話すことで新たな気づきを得ることができました。何度も書き直した末にようやく納得できる志望理由書になったのは、インターハイ出発の直前でした。
一次の書類を提出した後は、すぐに2次の面接試験の準備をする必要があります。私はまず、想定される質問に対する答えを考えるところから始めました。志望理由書に書いた内容を、より広く深く調べたり、その分野で活躍されている方に実際にインタビューをしたりして現場での苦労話を聞いたりしました。
加えて、自分のこれまで歩んできた道をもう一度振り返り、面接官に私という人物をより理解してもらえるように、自分の強みを改めて考えることにしました。
高校時代オール5を取るためにたゆまぬ努力をしたこと、情報技術検定他9つの資格を取得したこと、一般受験に向けて受験対策をしていること、中学校時代も3年間ほぼオール5であったこと(成績を証明する通知表および定期テスト・模試の結果も付けた)を述べ、高校時代に習得したC言語や通信技術の知識をSFCでの学びに活用したいということをアピールすることにしました。
これらの準備に多くの時間を費やしてしまったため、模擬面接を始めたのは1次試験合格後、つまり2次試験の10日前からでした。実際にやってみて思ったことは、書くことと話すことはまったく別物であるということでした。
最初のころは、言葉がうまくつながらず、しどろもどろで悲惨な状態でした。
しかし、学校の先生、先輩方、高校教師である両親に面接官役になってもらい繰り返して練習をするうちに、少しずつ上達しました。面接官からするどい質問が飛んできても、粘り強く考えて、最良の答えを出すように努めました。試験当日は、100パーセントの力を発揮できなかったかも知れませんが、どの質問にも誠実に答えられたのではないかと思います。
私は、幸運にもⅠ期で合格することができましたが、もしAO受験で不合格なら一般受験、それでも結果が出なかった場合は浪人しようという覚悟で受験に臨みました。慶應義塾大学になんとしても入学したいという強い意志があれば、おのずと道は開けると思います。
↑憧れだった慶應義塾大学では、文武両道の毎日を送っています。昨年は公式戦にも出場させていただきました
〈バスケットボール部について〉
現在、新型コロナウイルスの影響で、本塾バスケットボール部は昨年度までのような活動ができない状態が続いています。早慶戦は延期、夏までの試合は全て中止となり、自主練習やオンライントレーニング、オンラインミーティングを行う日々です。このような時だからこそ、今まで以上に、慶應義塾大学バスケットボール部の存在意義は何か、チームとして何を追求すべきかを問いながら、一人一人がチームのためにやるべき事に取り組んでいます。
この先どうなるか、見通しが立っていない状況ではありますが、今後、早い時期に仲間とバスケットボールに打ち込み、そして私の夢である「スポーツを通して日本に活気があふれる日」がくることを心から願っています。