入試合格・内部進学体験記
2022年 指定校推薦入試:吉田千里
吉田千里
学部:理工学部
出身校:田園調布雙葉高等学校
<志望動機>
私が慶應義塾大学理工学部を志望した理由は入りたい研究室があるからです。私は将来、スポーツアナリストになるのが夢です。その夢を叶えるため、スポーツの映像解析を行なっている青木義満教授(電気情報工学科総合デザイン工学専攻)の研究室に入りたいと思うようになりました。慶應義塾大学の理工学部は1年次に学科に分かれておらず、さまざまな分野に進む人が同じクラスで同じ勉強をしています。私にとってそのような環境も魅力の一つでした。大学生活を通して、将来やりたいことが変わったり、興味のあるものが変わったりすることは十分にあると思うので、一般的な理系科目を1年次に必修科目として学べるのはとても有意義なことだと思いました。実際、今同じクラスの女子達は、化学系に進む人が多いです。この環境で勉強することは大変なこともありますが、将来の選択肢を広げ、じっくりと自分が何をしたいのか考えることができるとても良い時間です。
また、高校時代からの先輩から慶應義塾大学の体育会バスケットボール部についてのお話を伺っていたことも、本塾を志望した理由の一つです。とてもいいチームだと普段から伺っていたので、バスケを続けるなら是非その環境でやりたいと思いました。学生主体のバスケ、能動的なバスケというものに強く惹かれました。ちょうど、指定校推薦もあり、第一志望校として慶應義塾大学理工学部を目指しました。
<受験勉強>
私は指定校推薦という入試方法で受験しました。私の高校には慶應義塾大学理工学部の枠が2枠あり、いくつかの条件のもと出願できるようになっています。指定校推薦で一番重要なのは高校3年間の評定平均です。基本的には評定平均のみで校内の枠を獲得できるかどうかが決まります。私は高校3年生まで指定校推薦を取ろうとは思っていませんでした。しかし、第一志望校が指定校推薦にあるのならとりあえず出願してみたらどうかと先生に勧められ、指定校推薦にチャレンジしようと決めました。私は高校2年次までの評定平均で出願できそうだったので、高校3年生の1学期の定期試験を評定平均を下げないよう、頑張りました。それと同時に指定校推薦が取れなかった場合に備えて、予備校に通い、一般入試の対策も行いました。指定校推薦をを目指している人の中には、学校のことしかやらない人がいたり、一般入試に向けて学校のことを何もやらない人がいたりしますが、私はどちらもしっかりやるべきだと思います。あくまで私個人の見解ですが、どちらもやっていてマイナスなことは絶対にありません。学校の勉強は、頭のいい友達とするようにしていました。一人では勉強する気が起きなくても放課後に学校で友達とやるとなると勉強せざるを得ない環境になります。また、わからないことがあってもすぐに人に聞くことができる環境はとても勉強がはかどりました。
<バスケ部について>
2年上に中学・高校時代の先輩がいらっしゃり、このチームの良さを前々から伺っていたので、頭の片隅には是非そのチームの中でバスケがしたいという気持ちがありました。しかし、理工学部に入学したこともあり、勉強との両立が不安で少し迷っていました。どうせバスケをするなら体育会でやりたい、でも大学生活を無事に送れるのか、と葛藤していましたが、決め手となったのは、理工学部の先輩方の存在です。先輩方は理工学部の勉強と練習をしっかり両立されており、そんな姿を拝見して頑張れば無理なことはない、と心を決めました。
いざ入部してみると想像以上に忙しいこともありましたが、それよりも楽しい、充実している、と感じることの方が断然多いです。同じような意識、考え、目標を持った仲間がたくさんいるこの環境はとても居心地が良く、勉強から離れてリフレッシュする場にもなりました。学生主体のバスケとはどんなものかとドキドキしていましたが、皆で意見を言い合い、より良くするためにはどうしたら良いか真剣に話し合う先輩方の姿に強く憧れを抱きました。今、その中の一員となれていることにとても喜びを感じています。高校までと違って、頭を使わなければいけないことも初めは大変でしたが、今では楽しみに変わりました。新しい環境の中、何かに打ち込めるというのは本当に幸せなことだと実感しています。これからも体育会の一部員としてより一層成長していきたいと思います。
2022年 FIT入試:野見山洋実
野見山洋美
学部:法学部法律学科
出身校:聖心女子学院
<志望動機>
私は高校生の時、東京地方裁判所に足繫く通っていました(女子高校生で私ほど通い詰めた人はいないと思います)。言わずもがな、裁判を傍聴するという目的でしたが、それこそが私が慶應義塾大学の法学部法律学科を志望する動機となりました。 一傍聴人の私が、裁判傍聴を通してどれほど新しい学びや深い考えを得られたかをここで表現することは容易ではありません。そこには、高校生だった私の想像の範疇をはるかに越える「現実の社会」が広がっていました。同時に、「自分も社会の一員だ」という当然のことをまざまざと自覚させられ、その社会の中で自分は何ができるのかを考えるきっかけとなりました。そして、法曹三者が今よりも良い社会を作っていこうとする営みとしての裁判に、私は強く興味を持ちました。
慶應義塾大学の法学部法律学科では「初めに法ありき」ではなく、社会科学の一分野として「社会を良くするための法学」という視点から法を学べると知り、第一志望に決めました。また、全国から学生が集まる慶應では、同じ社会を異なった切り口で見る多様な考え、バックグラウンドを持った仲間や先生方に出会えることも、第一志望に決めた理由の一つです。
<受験勉強>
私はFIT入試と指定校推薦、2つの方式での受験を高校2年生の秋ごろに決めました。双方に言えることとして、高い学校の成績(評定)が求められるため、学校の授業、定期試験に全てを尽くしていました。登下校の電車ではもちろん、最寄駅から家までの徒歩の間もプリントに赤下敷きを重ねて、ぶつぶつつぶやきながら勉強していました。お陰で評定に関しては周りと差をつけることができ、それが精神的にも合格に大きくつながったと思います。
FIT入試対策としては、小論文の練習をするために高校2年生の秋から塾に通い始めました。しかし塾に通うことで学校の勉強がおろそかになるのは、私にとっては本末転倒だと考え、定期試験前は塾をセーブすることもありました。FIT入試の場合、一次選考として書類審査がありますが、上記したように志望動機もある程度固まっていた私は、それをどう切り取るか、どう表現するかに多くの時間を割きました。もし志望動機が曖昧で困っているという方がいれば、どんなにささいな事でも自分の経験を振り返ってみることをおすすめします。自分の経験に基づくものであれば、面接の緊張した場面でも自信を持って「語れる」と思います。FIT入試のために志望動機を形に表し、その上で合格をいただいたことは、大学での学びの良い発射台になったと実感しています。
<バスケ部について>
弱小校中の弱小校であった聖心女子学院から、慶應義塾大学體育會バスケットボール部に入部することは決して低いハードルではありませんでした。しかし、高校バスケでの不完全燃焼が体育会への道を開いてくれたと感じています。中学生のころから待ち続けてきた高3の晴れ舞台だったはずの引退試合はコロナの影響で直前に中止が決定、どうにも晴らせない無念が募りました。週に2回1時間半、合宿無し、学校行事や宗教行事の度に無くなる部活ではありましたが、素敵な顧問の先生方や熱いコーチに見守られながら、仲間と一つになって汗を流した時間は、大切な思い出としていつまでも輝き続けるでしょう。
そして大学に入学し、周りには「体育会入るか悩むな、、」などとこぼしていた私ですが、今振り返ってみると、慶應義塾大学への入学が決まったその瞬間から体育会でバスケがしたいという思いが芽生えていたように感じます。また、部活の見学では、慶應義塾體育會バスケットボール部の名に恥じない、むしろそれを越えるような熱量と誇りを持って活動される姿に感銘を受け、入部を決めました。
入部して約半年、技術面・精神面ともに上級生の背中を追うのに精一杯ですが、心優しく面白い同期と共に1回1回の練習で少しでも成長できるよう励んでいる次第です。4年後、成長している自分を想像するだけでわくわくがとまりません。
2022年度 自主応募推薦入試:河村さくら
学部:文学部
出身校:神奈川県立松陽高校
<志望動機>
私は初めから私立文系の大学を考えていましたが、早稲田大学に通っていた姉の存在の影響から出来る限り上を目指したいという思いで早慶を目指し、その中でも慶應義塾大学文学部を志望しました。文学部を志望した理由は二つあります。1つは、専攻選択が1年次ではなく2年次であるという点です。私は将来やりたいことが明確に決まっていなかったため、専攻を選択する前の一年間で、様々な分野の学びを得ることができる環境にとても惹かれました。もう1つは、『「文(ことば)」によって人と人をつなぐことを目指す』という慶應義塾大学文学部の理念に共感したからです。私は以前から、異文化理解をはじめとする人間同士のつながりに関する社会問題に興味があります。そのような社会問題について、それがなぜ起こるのか、なぜ改善されないのか、そして、どうしたら改善できるのか等、世の中に起こっているあらゆる事象の本質を追求したいと思っています。さらに、様々な価値観や文化的背景をもった人と繋がりたい。そのためには、多角的な視点を総合的に養うことのできるこの大学の文学部でなければならないという考えから、慶應義塾大学文学部を志望しました。
<受験勉強について>
私が自主応募制推薦入試での受験を決めたのは、高校3年生の9月でした。もともとは一般入試の勉強をしていましたが、夏休みに慶應義塾大学を志望校にしたのをきっかけに、自主応募制推薦入試の存在を知り受験を決めました。この入試は大きく分けて書類審査と総合考査(論述問題)の2つの選考により行われます。1つ目の書類考査は志望理由書にあたるものです。ここには、「Q1.高等学校では何に力を入れ、どのような成果を上げましたか。」「Q2.文学部をなぜ第一志望としたのですか。また、文学部で何を学び、将来、どのように生かそうと考えていますか。」といった質問項目が2つあります。限られた白紙スペースで自分の熱意や魅力をいかに伝えることができるかが重要ですが、それを表現するために、私は具体性を最も心がけて書きました。例えばQ2に関しては、ただ「慶應義塾大学文学部のカリキュラムや理念に惹かれた」と書くのではなく、「将来こういった問題を解決したいからこういう活動がしたい。その活動をするためには貴校の文学部でのこういった学びが必要である。」というように、入学したい明確な目的が読み手に伝わるよう意識しました。2つ目の総合考査は、120分間の論述試験と60分の論述試験です。この試験に対する勉強としては、様々な文章を読んで論述時の知識の引き出しを増やすことや、あらゆる形式・内容の文章で小論文を書く練習をしました。練習をする際に、ひとつのパターンだけでなく複数の回答パターンまで考えるようにしていたことで、多面的視点で意見を論述できるようになり、合格につながったと思います。
<バスケ部について>
私は小学校から高校までバスケをやっていましたが、大学では留学をしたいと考えていたため、長期期間での休みを取りづらい体育会には入ろうと思っていませんでした。ですが、早慶戦を観たときに、先輩方が一生懸命戦う姿を見て、また、練習に参加させて頂いた際に「学生主体」による練習で互いに高め合っている先輩方を見て、自分もこの環境でバスケットをしたいと感じるようになり入部を決めました。はじめは大学生活自体に慣れないことも多く不安もありましたが、そういった思いもすべて分かち合える同期や、自分もこんな人間になりたいと思わせてくださる先輩方に恵まれ、体育会女子バスケットボール部に入って良かったなと思うことが出来ています。これから4年間、仲間と目標に向かってひたむきに努力し、ともに支え合いながら過ごしていきたいです。また、慶應義塾體育會に所属している限り、バスケットという競技を通して人としても成長できるよう頑張ります。
2022年度 帰国生入試:網野梨加
学部:環境情報
高校:Irvine High School
<志望理由>
私は父の仕事の関係で、小学校から高校までほとんどの期間を海外で過ごしてきました。日本の学校に通ったのは小学1年生の1学期と小学5年生の2学期から中学1年生の1学期までの約2年間でした。高校まで日本とは違うカリキュラムで勉強をしてきて、アメリカの大学に進む選択肢もあったのですが、日本の学校にあまり通えなかった分、大学は日本で通いたいという気持ちがありました。ただ、今まで日本の教育課程とは無縁だった私が普通に日本の大学を受験しても到底受からないと思い、帰国生入試制度があり、選考方法に筆記試験の無い学校を探しました。
大学で学びたい事は漠然としていましたが、祖母と母の影響で食や栄養に興味がありました。栄養士になる方向で行きたい学校を探していた時期もありましたが、その後もう少し視野を広げてやりたいことを探してみてもいいのではないかと思い、食を取り巻く社会問題や心身の健康、スポーツも学部を探す際の対象に入れました。
SFCは栄養や健康といったテーマだけでなく、文理融合で幅広く学びの場が用意されていて、正に自分の探している学部だと感じました。大学に入って色々な勉強をしながら専門分野を見つけたいと思い、選択肢が広いSFCを第1志望に決めました。
<受験勉強>
SFCの帰国生入試は1次試験と2次試験の2段階です。書類審査となる1次試験は、アメリカの標準テストSATとTOEFL iBTの成績が主に重視されます。当時SATは英語と数学のReasoning testと科目別のSubject testと両方受ける必要があったので、日本の高校2年生に当たる11年生の時にSubject testの受験を始め、その後Reasoning testを複数回受験、TOEFL iBTも合間を縫って複数回受験しました。
点数を上げるためにするべきことは人それぞれだと思いますが、私は過去問をひたすら解き続けました。SATはCollege Boardが出している過去問集、そしてTOEFL iBTはETSが出している過去問集を使いました。SATもTOEFLも私にとっての課題はリーディングで、限られた時間の中でいかに早く文章を読み、設問に取り組むかに苦戦しました。線を引きながら読んだり、単語に注目する問題だったら、まず最初に文章中のその単語を全部丸をつけておいて、それから全体を読むといった工夫もしました。
自分に合うやり方を探すこと、問題慣れすることが大事、というのが私の実感です。最後の2ヶ月間は家庭教師のサポートも受けて点数アップを図りました。
アメリカの高校を6月の初めに卒業し、その後受験日までの2ヶ月間は日本で予備校に通いました。そこで願書の内容を見てもらったり、2次試験の小論文と面接の練習をして本番に備えましたが、新型コロナウイルスの影響で小論文と面接は中止になり、1次試験のみの選考で無事合格することができました。
<バスケ部について>
私は小学1年生の時にアメリカで友達に誘われてバスケに出会い、日本に戻った後、小学6年生から本気でバスケに打ち込んできました。中高を過ごしたドイツとアメリカでもバスケを続けて、日本とは全く違うスタイルのバスケを経験しました。日本でバスケの基礎をしっかり教わったことで、ドイツやアメリカでも十分通用すると感じましたが、自分より大きく、フィジカルが強い人がどんどんぶつかってくるので、青あざの絶えない日々でした。パワーに頼らず、スピード感があり、5人全員連携して攻守を行う日本のチームプレイに憧れました。日本に戻っても大学でバスケを続けたいと思い、入学前から何回か体験に参加させていただき、優しい先輩方の下、良い雰囲気、日吉記念館という素晴らしい環境でバスケがしたいという思いが一層強まりました。
練習についていけるかどうか不安もありましたが、6人の良い同期にも恵まれ、先輩の皆様とも学年関係なく仲良くしていただいています。日々、部員同士が切磋琢磨しながら心技体を高め合っていく姿に刺激を受けながら、自分にとっても成長につながる4年間にしたいと思います。
2022年度 一般入試:中山璃音
学部:文学部
出身校:神奈川県立湘南高等学校
<志望動機>
私はなかなか志望校を確定できなかったのですが、高校3年生の春に私立文系として受験することを決めたと同時に、目標を立てるのならば高くしようということで、早稲田大学と慶應義塾大学のどちらかに合格できたらと考えを定めました。新型コロナウイルスの影響もありオープンキャンパスや三田祭に参加する機会がなく、私は受験日当日に初めて慶應義塾大学の敷地に足を踏み入れたのですが、その時以来「この大学に通いたい」という気持ちを強く持つようになり、合格後に迷わず入学を決めました。また文学部を選んだ理由としては、先輩方も述べられているように、幅広い分野の教養を学べるという点に惹かれたからです。将来の展望や長期にわたって携わっていきたいことが決まっていない私にとって、1年次に様々な内容の講義に触れることのできる文学部は魅力的でした。
<受験勉強>
受験勉強については参考程度に読んでいただけると幸いです。学習塾には高校1年生の初めから通い、英単語や古文単語といった基礎的な暗記はコツコツと進めていました。日本史の勉強は高校2年生の冬から始め、1回1回の授業で先生が話したことを全て暗記するということと、解答や単語を思い出すためのきっかけを多方向から作るという2点を特に意識していました。テキストに絵を書いたり、語呂合わせで覚えたり、というのが具体例です。高校3年生の10月に体育祭があったので、本格的な受験勉強を始めたのはその後からです。私は英語に苦手意識を持っていたので、とくに多くの時間を費やしました。その中でも音読は一番効果があったように感じます。授業で扱った長文の中で分からなかった単語の意味を調べ、また品詞に分けた構造分解で理解を深め、それを次の長文をもらうまで1週間音読していました。そうして基礎を固め、12月頃から赤本を使っての勉強を実践しました。ここまでつらつらと書いてきましたが、結局は1人で受かろうと思わないこと、先生やチューターに相談したり友達や家族と話をしたりすることが一番大切だと思います。
<バスケ部について>
私は大学でもバスケを続けようという気持ちをほとんど持っていませんでした。ですが、同期の知り合いに誘われて体験に行ったところ、コート外では優しく話しかけてくださった明るい先輩方がコートに入ると真剣にバスケに取り組んでいる姿に感銘を受け、入部を決めました。実際に入部してからというもの、練習中つねに声を出し仲間を鼓舞する、学生同士でプレーのアドバイスや指摘をする、チームのために何ができるかを考え行動する先輩方や同期の姿に日々刺激をもらい、自分自身の成長にもつながっていると感じています。その成長というのはバスケのプレー面ももちろんなのですが、人として精神面での成長が大きいです。素晴らしい環境の中でプレーができること、共に切磋琢磨する一生の仲間に出会えたことなど、入部から5ヶ月ほどしか経っていないのに既にいろいろなものが人生の財産となっています。これから4年間、さらに技術面や精神面でも成長し、自分もコート内外で刺激を与えられるプレイヤーになり、チームに貢献できたらと考えています。
2022年度 一般入試:今井楓子
学部:商学部
出身校:吉祥女子
<志望動機>
私は元々国立大学が第1志望であったため、文系ではあったものの数学を受験科目として使える学部を併願校として探していました。そこで見つけたのが本塾の商学部です。商学部のA方式は数学、歴史(私の場合は世界史)、英語の3科目で受験することができ、国立の2次試験で同科目を受験する予定だった私にとってはうってつけの腕試しの場でした。正直なところ、受験生時代の私は将来やりたいことなど全く見つかっておらず、商学部であることに強いこだわりはありませんでした。強いてあげるとすれば人文科学系の学問よりは社会科学系の学問の方が自分の性に合っているように感じたことくらいです。
明確に大学でやりたいことが決まっていない方は、私のように入試科目を重視することも選択肢の一つだと思います。大学は色々なことを学べる場であるので、自分が深く学びたいと思える分野に入学後にほぼ確実に出会えます。「早くやりたいことを探して学部を絞らなければ」と焦るよりも、「いかに自分の勝負したい科目で勝負し合格を貰うか」も受験校を決める上で大事だと感じたので、是非色々な学部の入試方式を調べてみることをオススメします。
<受験勉強>
勉強法は人によって合う合わないがあると思うので参考程度に読んでいただけると嬉しいです。
・英語
合否を決める要因は様々ですが、その中でも語彙力が大きなウェイトを占めているように感じました。単語帳は色々ありますが、あれこれと手を出すよりも自分に合うと思った1冊を完璧にするまで使い続けることが大事だと思います。文法は高校で推奨されていた『NEXTAGE』という参考書を使っていました(1冊で基礎~応用ほぼ全ての文法事項を押さえられるのでオススメです)。読解に関しては模試や過去問でとにかく場数を踏んでいくことを意識していました。
・数学
高校の授業で扱っていたプリント(色々な大学の過去問から先生が厳選したもの)を解く→苦手だと感じた範囲は青チャートで補う→もう一度プリントを解く、というサイクルで行っていました。11月くらいからはこのプリントを志望校の過去問に変えて行っていました。数学は範囲が膨大なので、苦手な分野に時間を割けるよう、早い段階での基礎固めが大事だと思います。
・世界史
授業で大まかな流れを掴み、そこから一問一答や用語集で細かい知識や単語を頭に入れるようにしていました。1回流れを掴んでからの方が単語や知識は頭に入ってきやすいと思います。また、これは私が高校の先生に言われたことなのですが、年号を覚えることも大事です。語呂合わせでもなんでもいいので覚えさえすれば、正誤問題、並び替え問題、流れを説明させる論述問題など色々な形式の問題で有利に働きます。
<バスケ部について>
私は小学校3年生のときにバスケを始めて以来、これまで多くの時間をバスケに注いできました。ただ思い返してみると小6のときは中学受験、中3のときは膝の怪我、高3のときは新型コロナウイルスの蔓延…と節目節目でバスケを我慢しなければいけないことが多かったとも感じました。大学でバスケをするかどうか迷っていましたが、体験のときに見た先輩方の真剣に練習に取り組む姿勢が忘れられず、「最後まで思いきりバスケを頑張りたい」と思い入部を決断しました。
入部当初は不安や戸惑いも多くありましたが、全員が1つの目標に向けて団結し、切磋琢磨し合えるこの環境に身をおけることが慶應義塾大学に入学して良かったと思える最大の理由です。
2022年度 一般受験:島本海丸
学部:総合政策学部
出身高校:正智深谷高等学校
<はじめに>
初めまして。現在、慶應義塾大学総合政策学部1年、並びに体育会バスケットボール部所属の島本海丸です。慶應義塾大学を受験する受験生の皆さんに、何らかの形で力になれればと思い、今回合格体験記を執筆させて頂きました。拙文ではありますが、最後まで読んで頂いて、受験生の皆さんに参考にしてもらえれば幸いです。
<志望動機>
私が慶應義塾大学への入学を志望した理由は2つあります。
1つ目は、総合政策学部・環境情報学部(以下SFC)の好きなことをとことん追求することができるカリキュラムや、先進的な内容を扱う授業に魅力を感じたからです。特に、それぞれの分野の第一線で活躍する教授たちのユニークな授業は、SFCでしか学べないことです。この先進的かつユニークな学習内容は、変わり物好きな私にとって大きな魅力に感じました。
2つ目は勉強に加え、小学校3年生から続けてきたバスケットボールに大学でも全力で取り組みたいと考えたからです。文武両道を高いレベルで体現する慶應義塾の体育会バスケットボールはそんな私の憧れであり、そこで活躍したいという気持ちから、慶應義塾大学の志望に至りました。
<各教科の勉強>
・受験学部…総合政策学部、環境情報学部
・受験科目…英語、小論文
現役での合格に至らなかった私は仮面浪人という形で、他の大学に在籍しながら1年間受験勉強に励みました。SFCを専願していたため受験科目は英語と小論文のみでした。現役の受験を終えた4月から塾に通い、英語・小論文共に、基礎の基礎から勉強しました。とにかく基礎を固めることを意識したため、過去問を解き始めたのは小論文で8月、英語は9月からでした。
・英語
SFCの英語は受験英語の中でもかなりレベルが高いです。海外の論文や新聞記事、教科書から直接文章が引用されるため、単語・文法ともに見慣れないものが多く、対策は必須でした。前述した通り、私は4月から塾に通いはじめ、8月までは文法の復習・定着に時間を割きました。その後9月からは過去問に取り掛かり、単語の学習も始めました。私は過去問に出てくる単語をベースに勉強しましたが、レベルとしては英検準1級レベルの単語を受験までに覚えておくと良いと思います。過去問は両学部7年分をそれぞれ3回ずつ解きました。1周目は実力を試し、2周目、3周目はわからない単語や表現をノートに書き記したのち、連続で9割を超えることを意識して、解いていました。復習は日を空けてやりがちですが、私はその日に解いた問題はその日にやることを意識していました。
・小論文
SFCの小論文はポイントを押さえながら、過去問をしっかりと学習することが必要不可欠です。特にSFCを第一志望にしている受験生は、小論文の対策は必須事項であり、出来るだけ早く対策を始めることが合格への鍵だと思います。私は英語同様に4月から文章を論理的に書く、論理的に読むという基礎から勉強しました。その後夏休みに過去問を一通り解き、SFC小論文の概要を掴み、出題に慣れることをしました。9月からは、SFCの理念である問題発見・解決やその他の適正について更に詳しく掘り下げ、過去問を行うことでスキルを磨きました。冬休みからは塾の合格答案を作成することと、比較的出題頻度の低いタイプの問題を解くことを並行して行いました。最終的には過去問を両学部約10年分解き、合格答案を10個作成しました。何年度の問題がどのような問題であったかを覚えてしまうほど問題を読み込んでいました。また自分なりに答案チェックシートを作成したりもし、あくまで論理的に回答していくことを心がけていました。
(直前期は1週間の予定を作成し、曜日ごとに回して勉強していました。)
<受験に向けて>
私が自身の経験から受験生の皆様にお伝えしたいことは3つあります。
まず1つ目は、志望校・志望学部をなるべく早く決めるということです。というのも私は、現役時に志望校を決めるまでに時間がかかってしまい十分な対策が行えなかった経験があります。特に部活動をやっていると、受験について考えることが、どうしても遅くなってしまいがちです。しかし、早い段階で志望校・志望学部を決め、それにあった対策・計画を定めることが合格への第一歩だと感じています。
2つ目は基礎を大切にして欲しいということです。私は自分が思っていたよりも基礎が伴っていないことに、塾に通い始めて気が付きました。そしてつまらないと思いながらも、半年間基礎を固め続けた結果、自分に自信が持て流ようになりました。また、そのお陰で点数が伸びていることも、後から実感できました。バスケットボールと同じく、地道にコツコツ、着実にやり続けることが最終的には大きな何かを成し遂げると、受験を通じて改めて体感しました。
3つ目は信用できる対策を、自分で選択することです。特にSFCの受験のように、内容が特殊な場合、様々な塾やサイト、YouTuberが全く根拠のない情報を、あたかも有益な情報のように語っていることが多々あります。私自身、ネットの受験情報を鵜呑みにしてしまい、失敗した経験もあります。それが本当に正しい情報かを見極めることは難しいことです。両親や信頼できる人に相談したり、体験授業に参加してみることで自分に合った対策なのか、本当に信頼できる対策なのかを判断してほしいと思います。
(基礎を大切に地道にコツコツ、着実に勉強することが受験において最も重要でした。)
<最後に>
拙い文章ではありましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。この記事を読んで慶應義塾大学、また体育会バスケットボール部に興味を持ち、入学・入部したいと思う受験生が増えてくれれば幸いです。最後にはなりますが、皆様の努力が報われることを心より祈っております。
2022年度 一般受験:有村悠希
学部:経済学部A方式
出身高校:川越東高等学校
<受験にあたって>
高校2年生のころ、部活の顧問の先生を通じて、体育会バスケットボール部のOBの方と話させていただく機会があったことが、慶應義塾大学に興味を持ったきっかけです。お話を聞いていく中で、学生が主体的にチームを作り上げることに魅力を感じ、体育会バスケットボール部に入部したいという思いで慶應義塾大学を志望しました。
しかし私の通っていた高校は例年、慶應義塾大学にほんの一握りしか合格者が出ず、また部活が夏休み中まであるため、慶應義塾大学への現役合格を目指すのは、かなりの覚悟が必要でした。そのため慶應義塾大学への現役合格を目標に据えてからは、自分で常にゴールとの距離を逆算し、合格には何が必要かを自分で考え続けていました。私は、志望学部を経済学部、商学部の2つに定め、これら2学部に受かるためだけに半年間勉強をし続けました。
<受験学部とその結果>
合格:経済学部A方式
不合格:商学部A方式、総合政策学部、環境情報学部
<受験戦略と勉強法>
まず、慶應義塾大学では多くの学部で英語の配点が最も高いので、英語の勉強に多くの時間を割きました。また数学は個人的に好きな科目であったため、数学にも力を入れて勉強していました。この英語と数学を受験教科の2軸とし、英語と数学をメインとして受験できる経済学部A方式を第1志望にしました。そして、慶應義塾大学の中では比較的対策しやすいと言われている、商学部A方式を第2志望としました。英語・数学とは対照的に、慶應義塾大学以外の大学は視野に入れていなかったので、英語・数学とは対照的に、慶應義塾大学の受験に必要のない国語などには一切時間を割きませんでした。
〈入試に使用した科目とそれぞれの対策〉
使用した科目:英語・数学・世界史・小論文
○英語
長文を速く正確に読めるようになること、和文英訳が高い水準でできるようになること。そして、自由英作文で自分の主張を明確に述べられるようになることを英語対策の目標にしました。夏から本番まで一番力を入れ続けたのは、長文の勉強です。夏休みでは少し時期は早いですが、経済学部の過去問にチャレンジし、設問のポイントを自分で考えたりする機会を設けました。また、慶應義塾大学の問題よりも、易しいとされる他大学の長文問題だけをスピード感を意識し、解いたりしていました。その後は、早稲田大学や慶應義塾大学のさまざまな学部の長文問題を、速く正確に解くという演習を繰り返していました。
和文英訳と自由英作文に関しては、12月以降に青本の解説を見ながら力をつけました。並行して、学校の先生に添削もしていただきました。経済学部の自由英作文は大きな解答用紙が配られて、好きなだけ書けるようになっています。少しテクニック的な話になりますがすべてを埋める必要はなく、少ない語数でも、設問の要求に従って書くことができれば高得点を獲得できるでしょう。
○数学
経済学部の数学の形式は個人的にすごく苦手で、最後まで苦労した部分です。苦手意識があったため、確実に正解しなければならない問題がどれなのかを短い試験時間で見抜き、効率的に点数を重ねられるようになることを目標にしていました。夏は何度か経済学部の過去問にチャレンジし、今の自分に不足している部分を考えたり、基礎的な問題集1冊を何回もやり直して、基本問題を習得したりしていました。
また秋以降には、経済学部の過去問で1問1問と向き合って、問題作成の意図を自分で考えたりしました。その際に出題糸のポイントをノートにまとめ、そのノートは本番まで何度も見返しました。他に、初見の問題に取り組む練習として他大学の問題も解いていました。
余談ですが、私は普段から計算ミスがものすごく多かったです。しかし、ミスの傾向を把握するなどし、経済学部の入試本番では解いた問題は1問もミスをしませんでした。記述部分は解けている人が少なく、私自身も3問しか解けなかったので、勝敗を分けるのは解いた問題のミスの少なさだということを改めて実感しました。
○小論文
経済学部の配点からして、重要度は高くないと考えました。設問の要求に答えることが肝心です。予備校の映像授業を受講して、自分なりの型を見つけて数年分の演習をこなしました。他の科目の対策に時間を割く方が有効的だと考えていました。
○世界史
この科目で商学部に落ちたといっても過言ではないくらい苦手でした。夏休みに通史全体の流れを把握し共通テスト模試の点数を50点ほど伸ばし、80点以上取れるようになったことは私自身成功したことでした。秋以降の用語や年号のインプットを徹底的に行うことで、さらに点数を伸ばすことができると感じました。
<受験生の頃の夏の1日>
私はこの時期に本格的に慶應の入試に向けた勉強を開始しました。しかし、勉強のスタートが遅いことには焦りすぎず、いろんな受験情報を参考に入試までの勉強計画を立て、夏休みにやるべきことを決めて着々と学力を伸ばしていくことを意識していました。そんな私が高校3年生だったころのある夏の1日を紹介します。
・6:20 起床
・6:50 自宅を出発 通学時間が長かったのですが高校2年生までに覚えた英単語ターゲットと英検準1級の単語帳をひたすら復習していました。
・8:00 学校到着 すぐに自習室に行き計画に沿って勉強を始めます。(この時期は学校で夏期講習がありましたが、必要性を感じなかったので受講せずに自分で勉強していました。)
・12:00 クラスや部活の友達と話しながら昼食をとります。(この時間が気分転換になりました。)
・13:00 部活
・17:00 部活終了 1時間ほど軽食と仮眠の時間をとります。
・18:00 通学路の途中にある塾の自習室に行き、午前の勉強の続きをします。
・21:00 勉強終了 すぐに帰宅します。
・21:45 帰宅 だらだらせず、入浴や夕食を取ります。
・23:00 その日に勉強したことの復習をしたり次の日の細かいスケジュールを立てる時間を30分ほど取ります。
・23:30 就寝
<最後に>
どんなに模試の結果などがよかったとしても、試験本番で点数を取れなければ合格できません。模試の結果に一喜一憂せず、試験本番で合格点を取ることが重要です。勉強面以外でも、12月以降は22:00に寝て6:30に起きるという生活を続け、コンディションを整えるように心がけ、無理なく勉強を継続してきました。
また、受験生には1点でも多く取るために最後まで諦めないでほしいです。私は経済学部入試本番の数学で勘で適当に埋めた問題を2問正解することができました。受験は辛いと感じることがあると思います。しかし、その経験もあって、私は慶應義塾大学での生活を楽しめています。また、体育会バスケットボール部は、ハードな環境ではありますが、選手、スタッフがそれぞれチーム内での役割を見つけながら学生主体で取り組むことができ、それを支援してくださる方がたくさんいるという素晴らしい組織です。拙い文章ではありますが、これを読んで一人でも多く、慶應義塾大学に合格し、体育会バスケットボール部に入部してくれたら幸いです。