2010年度 FIT入試: 蛯名 涼

学部:法学部法律学科
出身校:京都洛南高等学校

<志望動機>

私は、現在に至るまで常に目標を掲げながら中学校・高校と学校生活を送ってきました。それは、小学校から始めたバスケットボールの技術を磨くことと、決してそれだけに力を入れるのではなく、今は具体的な将来像はないものの、将来のことを見据えて勉学にも励むということです。
6年間この目標を達成し続けることができたので、大学進学にあたり勉学ではもちろんのこと、バスケットボールでも近年輝かしい成績を修めている慶應義塾大学に進学したいと思いました。

<受験準備>

まず、私がFIT入試を受けようと思った一つ目の理由は、試験が早い時期から始まるので、12月までバスケットを続けようと思っていた私にとって受験のチャンスが増える上に、合格してしまえば入試のプレッシャーを受けずに最後の大会を迎えることができるからです。
二つ目の理由は、FIT入試は学力は大前提ですが、それ以上に「人間性を重視するもの」だったので、その点に利点を感じ受験することにしました。
というのも、FIT入試において重要視される人間性というのは、「高校時代に取得した資格」「部活動や課外活動などで得た成績」「行ったボランティア活動」などであり、私は、部活動である程度の成績を修め、TOEICなどの資格の取得にも力を入れていたからです。TOEICは、受験勉強が本格的に始まる前にある程度の点数を取得しておいたほうが良いと思ったので、TOEICを一つの受験と考え夏休み前に照準を合わせて勉強に取り組みました。
勉学と部活動を両立させるポイントとして私が意識していたことは、「授業の内容はある程度授業中に理解する」こと、そして「毎日一定の時間その日の復習」を行うことです。
受験の準備として行ったことは、ひたすらFIT入試の入試合格体験記を読みました。そうすることで入試の傾向、雰囲気を想像しました。しかし、それ以外に何か特別なことをしたかというと、思い当たることがありません。
私が実際FIT入試を受けて合格するのに必要だと思ったことは、「対応力」と「表現力」です。私が受けた試験の内容は三つあり、「60分の講義を受けた後それについて論述」すること、「ある議題について5~6人でディスカッション」すること、「最後に10分程度の面接」でした。
この三つの試験において大切なのは、まったく触れたことのない法学の知識を自分の中でどのように解釈するかという「対応力」、ディスカッションや面接でいかに相手に自分の意見や志望理由を伝えられるかという「表現力」だと私は感じました。
そこで、受験生の皆さんに準備しておいたほうが良いとアドバイスできることは、一般常識的な社会の事象はある程度知っていなければなりませんが、最重要なのは「対応力」と「表現力」を日常生活の中で身につけておくことだと思います。「対応力」「表現力」というのは、すなわち「どれほど知識と経験を蓄えているか」だと思います。つまり、日々の生活の中で経験したことを蓄え、それにどう対応すれば最善であったかを考えながら行動することが、それらの力を伸ばす最良の方法だと思います。

<バスケットボール部について>

慶應に入学する前に先輩方から「慶應は練習がきちっとしている」と聞きました。
当時の私には、その意味がただ練習に取り組む姿勢を表しているものとしか理解できませんでした。しかし、実際入学してみるとその意味がよくわかりました。慶應のバスケットは、第一にシステムを重要視して「チーム力で自分たちより能力の秀でている選手やチームに勝つことを目指しているチーム」でした。
「きちっとしている」のは、練習に取り組む姿勢はもちろんのこと、チームが一定の理解のもと協力し合ってシステムの精度を高め勝利に結びつけるという一体感のことを指していたのだと思います。かといって、練習はロボットのようにこなすのではなく、明るい雰囲気の中ポイントを押さえながら短時間で行います。
試合においても、いかに練習で反復して習慣づけてきたことを体現できるかを重要とします。一つひとつのプレーに責任を持って行動しなければならないという厳しい環境ですが、技術とそれ以上に人間性を鍛えるには最高の環境だと思います。