2020年度 AO受験Ⅰ期B方式:野本美佳子

学部:総合政策学部

出身校:東京成徳高校

 

<志望動機>

私は将来、スポーツ現場におけるライフスキル教育を普及させることで社会に貢献したいと考え、慶應義塾大学SFCへの入学を目指しました。

ライフスキルとは、コミュニケーション能力や問題解決能力、リーダーシップなどの概念の総称で、1994年にWHO(世界保健機構)が提唱した社会的能力のことです。スポーツを通じて身につけたライフスキルは、競技を引退した後にも残り、その後の社会生活でも能力を発揮すると言われています。

私は中学・高校の部活動や学校生活を通してライフスキルの重要性に気づくことができました。しかし、それと同時に、全国的にはスポーツ現場においてライフスキルという概念は十分に普及・実践されておらず、課題も多い事実を知りました。

ライフスキルの新しい学びの場を提供するためには、専門的な知識を身につけることに加え、そのクリニックの作り方やコーチング、組織論、心理学など様々な分野を学び、習得しなければなりません。文理融合で多角的に自分が学びたいことを追求できるSFCは私にとって理想的な学部でした。

また、中学・高校で文武両道を目標としてきた私は、大学でも部活動を継続したいと考えていました。慶應義塾体育会バスケットボール部の先輩方の話を聞き、バスケットボールへの情熱や練習に取り組む姿勢などに大いに刺激を受け、入学後は私もこのチームでプレーしたいと思い、志望に至りました。

<受験準備>

SFCのAO入試は1次試験と2次試験の2段階に分かれています。

私がSFCを受験することを決心したのは高校3年生の4月でした。その時、12月までは高校の部活動が続き、他の学生よりも受験勉強にかける時間が圧倒的に少ないことは分かっていました。しかし、この差は自分で努力すれば埋める事ができると思い、部活動以外の時間は受験対策の時間として確保し、その少ない時間の中で入念な準備に打ち込みました。

まず、1次試験となる志望理由書の作成では、自分の実体験をもとに、いかにSFCで学びたいかが読み手に伝わるように記述することを意識しました。他の大学でも学べるようなこと、誰でも言えるような一般常識を書いても他の学生と差がつきません。また、この志望理由書の内容は2次試験の面接の際に面接官から詳細に質問があるので、何度も自身の経験と擦り合わせて、深く考える事が大切です。

2次試験の面接では、専門的な知識を持った面接官から質問される可能性があります。その際、どのような質問に対しても回答できるよう、提出書類全てに対して想定される質問を考え、書き出しておくことをお勧めします。自分の関心のある分野の教授が書いている本や周辺情報を調べることで多くの知識を身につけることなど、万全の対策をし、面接に臨みましょう。

また、面接準備の際、自身の志望理由を醸成することを目的に、志望理由の詳細を友人に聞いてもらいました。「なぜ、志望するのか?」「なぜ、SFCなのか?」「なぜ、その考えで将来を描くのか?」を他人に理解してもらう過程で、自身の理解は確実に深まりました。

<未来の受験生に向けて>

AO入試受験は必ず合格出来る保証はなく、不合格のことも考えながら準備をしていかなければならなかったためとても不安でしたが、慶應義塾体育会バスケットボール部の魅力やSFCで学びたいという想いを強くもつことで、部活動とAO受験の両立をなしえる事ができました。

私は、部活をやっていたからこそ得られたものが大きく、それが合格の要因のひとつではないかと考えています。

受験をする上で心掛けてきたのは、日々の積み重ねを大切にすることでした。まとまった時間は取れなくても隙間時間を活用することで部活動と両立しながら受験勉強を進めることはできます。他の学生よりもまとまった時間がない分、自分から自由になる時間を積極的に作り出して受験勉強に費やしていくことが大切です。準備の段階で集中して取り組むことが、面接本番には自信に変わっていきます。自信を持って面接会場へ行くためにも、万全の準備ができるように頑張ってください。

<バスケットボール部について>

高校では選手が主体的に活動をすることには限界がありました。最終的には監督やコーチがメンバーを決め、チームのスタイルを決めていきます。しかし、本塾のバスケットボール部では全てが学生主体で進んでいきます。セットプレーや練習メニューを考案したり、ミーティングを行なったり、一人一人の行動次第でチームに大きな変化をもたらすことができます。私はこのチームスタイルがとても魅力的だと感じています。

また、高校でバスケをしている時は、全国大会出場や上位入賞を使命とするチームであったためにプレッシャーを感じながら常にプレーしていて、バスケを心から楽しいと思う瞬間はほとんどありませんでした。しかし、今は純粋にバスケを楽しむことができていると感じています。もちろん、チームの代表としてコートに立つ自覚と責任は、前と変わらず持ち続けていますが、このチーム全体がバスケを楽しむ、格上の相手に挑戦していく、という明るい雰囲気であるため、日々新しいチャレンジを続けることができています。

バスケのスキルをはじめ、人間的にも成長することができる最高の環境で、大学生活の4年間がかけがえのないものになると確信しています。