2022年度 一般受験:有村悠希

学部:経済学部A方式

出身高校:川越東高等学校

<受験にあたって>

高校2年生のころ、部活の顧問の先生を通じて、体育会バスケットボール部のOBの方と話させていただく機会があったことが、慶應義塾大学に興味を持ったきっかけです。お話を聞いていく中で、学生が主体的にチームを作り上げることに魅力を感じ、体育会バスケットボール部に入部したいという思いで慶應義塾大学を志望しました。

しかし私の通っていた高校は例年、慶應義塾大学にほんの一握りしか合格者が出ず、また部活が夏休み中まであるため、慶應義塾大学への現役合格を目指すのは、かなりの覚悟が必要でした。そのため慶應義塾大学への現役合格を目標に据えてからは、自分で常にゴールとの距離を逆算し、合格には何が必要かを自分で考え続けていました。私は、志望学部を経済学部、商学部の2つに定め、これら2学部に受かるためだけに半年間勉強をし続けました。

 

<受験学部とその結果>

合格:経済学部A方式

不合格:商学部A方式、総合政策学部、環境情報学部

 

<受験戦略と勉強法>

まず、慶應義塾大学では多くの学部で英語の配点が最も高いので、英語の勉強に多くの時間を割きました。また数学は個人的に好きな科目であったため、数学にも力を入れて勉強していました。この英語と数学を受験教科の2軸とし、英語と数学をメインとして受験できる経済学部A方式を第1志望にしました。そして、慶應義塾大学の中では比較的対策しやすいと言われている、商学部A方式を第2志望としました。英語・数学とは対照的に、慶應義塾大学以外の大学は視野に入れていなかったので、英語・数学とは対照的に、慶應義塾大学の受験に必要のない国語などには一切時間を割きませんでした。

 

〈入試に使用した科目とそれぞれの対策〉

使用した科目:英語・数学・世界史・小論文

 

○英語

長文を速く正確に読めるようになること、和文英訳が高い水準でできるようになること。そして、自由英作文で自分の主張を明確に述べられるようになることを英語対策の目標にしました。夏から本番まで一番力を入れ続けたのは、長文の勉強です。夏休みでは少し時期は早いですが、経済学部の過去問にチャレンジし、設問のポイントを自分で考えたりする機会を設けました。また、慶應義塾大学の問題よりも、易しいとされる他大学の長文問題だけをスピード感を意識し、解いたりしていました。その後は、早稲田大学や慶應義塾大学のさまざまな学部の長文問題を、速く正確に解くという演習を繰り返していました。

和文英訳と自由英作文に関しては、12月以降に青本の解説を見ながら力をつけました。並行して、学校の先生に添削もしていただきました。経済学部の自由英作文は大きな解答用紙が配られて、好きなだけ書けるようになっています。少しテクニック的な話になりますがすべてを埋める必要はなく、少ない語数でも、設問の要求に従って書くことができれば高得点を獲得できるでしょう。

 

○数学

経済学部の数学の形式は個人的にすごく苦手で、最後まで苦労した部分です。苦手意識があったため、確実に正解しなければならない問題がどれなのかを短い試験時間で見抜き、効率的に点数を重ねられるようになることを目標にしていました。夏は何度か経済学部の過去問にチャレンジし、今の自分に不足している部分を考えたり、基礎的な問題集1冊を何回もやり直して、基本問題を習得したりしていました。

また秋以降には、経済学部の過去問で1問1問と向き合って、問題作成の意図を自分で考えたりしました。その際に出題糸のポイントをノートにまとめ、そのノートは本番まで何度も見返しました。他に、初見の問題に取り組む練習として他大学の問題も解いていました。

余談ですが、私は普段から計算ミスがものすごく多かったです。しかし、ミスの傾向を把握するなどし、経済学部の入試本番では解いた問題は1問もミスをしませんでした。記述部分は解けている人が少なく、私自身も3問しか解けなかったので、勝敗を分けるのは解いた問題のミスの少なさだということを改めて実感しました。

 

○小論文

経済学部の配点からして、重要度は高くないと考えました。設問の要求に答えることが肝心です。予備校の映像授業を受講して、自分なりの型を見つけて数年分の演習をこなしました。他の科目の対策に時間を割く方が有効的だと考えていました。

 

○世界史

この科目で商学部に落ちたといっても過言ではないくらい苦手でした。夏休みに通史全体の流れを把握し共通テスト模試の点数を50点ほど伸ばし、80点以上取れるようになったことは私自身成功したことでした。秋以降の用語や年号のインプットを徹底的に行うことで、さらに点数を伸ばすことができると感じました。

 

<受験生の頃の夏の1日>

私はこの時期に本格的に慶應の入試に向けた勉強を開始しました。しかし、勉強のスタートが遅いことには焦りすぎず、いろんな受験情報を参考に入試までの勉強計画を立て、夏休みにやるべきことを決めて着々と学力を伸ばしていくことを意識していました。そんな私が高校3年生だったころのある夏の1日を紹介します。

・6:20 起床

・6:50 自宅を出発 通学時間が長かったのですが高校2年生までに覚えた英単語ターゲットと英検準1級の単語帳をひたすら復習していました。

・8:00  学校到着 すぐに自習室に行き計画に沿って勉強を始めます。(この時期は学校で夏期講習がありましたが、必要性を感じなかったので受講せずに自分で勉強していました。)

・12:00 クラスや部活の友達と話しながら昼食をとります。(この時間が気分転換になりました。)

・13:00 部活

・17:00 部活終了 1時間ほど軽食と仮眠の時間をとります。

・18:00 通学路の途中にある塾の自習室に行き、午前の勉強の続きをします。

・21:00 勉強終了 すぐに帰宅します。

・21:45 帰宅 だらだらせず、入浴や夕食を取ります。

・23:00 その日に勉強したことの復習をしたり次の日の細かいスケジュールを立てる時間を30分ほど取ります。

・23:30 就寝

 

<最後に>

どんなに模試の結果などがよかったとしても、試験本番で点数を取れなければ合格できません。模試の結果に一喜一憂せず、試験本番で合格点を取ることが重要です。勉強面以外でも、12月以降は22:00に寝て6:30に起きるという生活を続け、コンディションを整えるように心がけ、無理なく勉強を継続してきました。

また、受験生には1点でも多く取るために最後まで諦めないでほしいです。私は経済学部入試本番の数学で勘で適当に埋めた問題を2問正解することができました。受験は辛いと感じることがあると思います。しかし、その経験もあって、私は慶應義塾大学での生活を楽しめています。また、体育会バスケットボール部は、ハードな環境ではありますが、選手、スタッフがそれぞれチーム内での役割を見つけながら学生主体で取り組むことができ、それを支援してくださる方がたくさんいるという素晴らしい組織です。拙い文章ではありますが、これを読んで一人でも多く、慶應義塾大学に合格し、体育会バスケットボール部に入部してくれたら幸いです。