2023年 内部進学(日吉高):中山圭

学部:経済学部

入学方式:内部進学

出身高校:慶應義塾高等学校

〈志望動機〉

 一貫校の進学のシステムは成績が良い人から志望学部に推薦されます。私は経済学部を第一志望にしており、十分に進学できる成績があることを推薦前から自覚していたので進学には苦労していません。大学進学では紆余曲折を経た良いエピソードがないので高校受験について振り返ります。

 高校受験で慶應義塾高等学校(以下、「塾高」)を目指した理由の一つ目は大学受験をしなくてよいからです。ほとんどの学生がこの理由でしょう。私もご多分に漏れずその一人です。大学受験をしなくてよいから、バスケットボールに打ち込めることができました。スポーツだけではなく、自分の好きな勉強に打ち込めることが特徴です。私のクラスメイトには公認会計士の勉強を本気で打ち込んでいる友人がいました。スポーツ、勉強問わず本気で何かに取り組む人を馬鹿にしたり、排斥しない環境があることも塾高の魅力の一つです。

 もう一つの理由は校舎の威圧感です。第二校舎の対面側にあるのが塾高の校舎ですが、私が初めて見たのは中学2年生の時にいった日吉祭でした。小高い丘の歴史を感じる白亜の校舎に書かれた「校學等高塾義應慶」の文字に惹かれ、私は受験を決意しました。

 既にお気付きかもしれませんが私は塾高が大好きです。5回生まれ変わることが出来るなら5回塾高に行くと思います。中学生で大学に入ってもバスケットボールを続けたい人や体育会に入りたい人は是非塾高の入学を検討してみてください。

 私は入学当初からスタッフとして入部しました。なぜ私はスタッフとして入部したのでしょうか。私は小学5年生から高校生まで選手としてバスケットボールをしていました。しかし今までのバスケットボール人生を振り返ってみると小中高すべてのカテゴリーにおいて満足して引退することができませんでした。とくに高校時代ですが私は骨折を伴う捻挫をしたり、腰の怪我をして練習を長期離脱してしまい、更には感染症で部活動ができない時期がありました。僕は高校生活のうち半分もバスケットボールをやっていません。(ネガティブなことを書いていますが高校時代のバスケットボールをする環境、支えてくださったOB・指導者の方、チームメートにはとても感謝しております。)

 高校生活終盤、感染症も落ち着いたころに機会に恵まれアメリカ・ロサンゼルスに行く機会がありました。そこでUCLAのバスケットボールチームが使う施設見学を行うことになりました。そこで私は大学スポーツの規模感、一体感、熱気を知ることができ、同時にスタッフとしてスポーツにかかわる選択があることを知ることができました。

 このときにスタッフとしてバスケ部に入ることは自分の財産となり、バスケ生活に良い終止符を打てるだろうとそこはかとなく感じ、現在部活動をしています。

【受験準備】

 高校受験は帰国子女でもないかぎり細く長く準備するのがおすすめです。中学3年生でいきなり受験を意識して進学塾に入ったり、自分で勉強を始めるよりは中学1年生、2年生のときから勉強を学校とは別にしておくと直前期に切迫感はなくなると思います。特に英語は勉強しておくのがおすすめです。英文法のほとんどは中学生までに習うので非ネイティブの人間はこの段階で英語をしっかりと固めると、のちの高校や大学の英語の授業で苦労することはないでしょう。

【バスケ部について】

 体育会のやりがいや良さ等をここで書くと、すこし胡散臭くなってしまうので私がバスケ部で過ごして経験した壁について書こうと思います。それは常識だと思っていた価値観が否定される、ということです。高校時代にインターハイを経験した選手もいれば、進学校で過ごした人間もいるこの部活で常識という尺度は全く役に立ちません。故に自分が正しいと思っている行動が他人から見ると不可解な行動で反感を買ったり、価値観が180度違う人間がいることにより口論に発展することなんて多々あります。これらはこれからも起きると思います。アインシュタインの言葉で「常識は18歳までに身につけた偏見のコレクションである。」というものがありますが、まさにこの通りだと思います。

 大事なのは価値観のズレで生じる摩擦に対し、いかにその摩擦から火を起こさないか、また摩擦を摩擦のままにするか、摩擦をなくすか、の判断と対処方法を学ぶのが体育会であると私は考えます。

 この文は塾高のみならず、さまざまな一貫校の学生であったり、またお子さんをバスケ部に入れたい保護者の方が読んでいると思うので、これらの方々の参考になっていると大変嬉しく思います。