最近夢中になっていること:秋根ゆう

 はじめまして。ストイックな永里叶多からバトンを受け取りました。慶應義塾大学総合政策学部2年、ならびに慶應義塾体育会バスケットボール部でマネージャーを務めております、秋根ゆうと申します。

 私は今年の2月に途中入部し、この組織の一員となってまだ一年も経たない未熟な立場にいます。コート上の選手たちが情熱という名の外向きのエネルギーを爆発させる一方で、私自身の活動が本当にチームの力になっているのか、その因果関係が見えにくいことに難しさを感じています。選手のように明確な成果指標を持たない役割だからこそ、この問いは常に私の中にあります。

 だからこそ、私が最近夢中になっているのは、この集団の熱狂から一歩離れ、自分というバッテリーを再充電する「一人きりの静かな時間」です。こうした静寂のひとときこそが、この場所で立ち続けるための土台になるのではないかと、その必要性を日々感じています。

 私が人生最後の学生生活の多くをこの組織に注いでいるのは、一つの目標に真摯に、そして誠実に向き合い続けることを求められる、極めて稀有な環境だからです。全力を尽くす仲間たちの姿は、私の大学生活に緊張感と意義を与えてくれます。また、選手とマネージャーという役割の違いはあっても、一つの目標を共有することで成り立つこの関係性こそ、体育会組織の最も魅力的な部分だと思います。社会に出る前に、組織で活動する厳しさと、仲間と目標を追う喜びの両方を味わえるこの時間は、私にとって何にも代えがたい貴重な経験になっています。

 また、そうした環境の中で、私自身がどのようにチームに貢献できるのかを常に考えています。マネージャーの役割とは、チームの推進力を直接生み出す外向きのエネルギーではなく、そのエネルギーが最大限に発揮されるための土台、すなわち、揺るぎない基盤を支える存在だと考えています。基盤を維持するためには、運営の緻密さや、常に「次に起こりうるリスクを先読みする」冷静な思考が欠かせません。

 私の仕事は、うまくいっているときほど気づかれにくく、問題が起こったときにだけ表に出てくる性質があります。目立つことはありませんが、その分だけチームを下支えしている実感があります。

 私にとっての「静かな時間」は、まさにこの見えにくい努力を続けるための蓄えです。一人で過ごす時間は、頭の中を空にして「無」の状態を楽しみ、心と体を休ませる大切なひとときです。こうした意識的なオフの時間は、単なる疲労回復にとどまらず、感情に流されず冷静に判断するための大切なプロセスだと感じています。一人の時間での学びの積み重ねが、やがてチームを支える確かな力となり、選手たちのやる気をより強く後押しできたら嬉しいです。

 まだ未熟な立場で「貢献」という言葉を堂々と語ることはできませんが、この静かな役割の中で、一人の人間として誠実に、そして主体的に自分なりの貢献の形を探し続けていきます。

 拙い文章ではありましたが、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。次は、部内で一番誠実な中田大智にバトンを渡します。

 これからも慶應義塾体育会バスケットボール部への温かいご声援を、どうぞよろしくお願いいたします。

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