ブログリレー 肥田大輝

「歩み」

はじめに

こんにちは。誠に僭越ながら、自己紹介させていただきます。

本年度、慶應義塾大学総合政策学部3年、ならびに体育会バスケットボール部所属の肥田大輝です。今年のチームでは、学生コーチを務めております。

はじめに、普段より、慶應義塾体育会バスケットボール部のご支援をしてくださる多くの方々に感謝申し上げます。

コロナ禍にも関わらず、私達部員が練習に励むことができるのは、皆様の手厚いご支援の賜物です。心より感謝し、精一杯勝利を目指しますので、今後とも変わらぬご支援ご声援の程、宜しくお願い致します。

可愛い後輩の藤島くんからブログリレーのバトンを受け、何を書こうか悩みましたが、今回は春シーズンを終えて感じたことについて書かせていただきたいと思います。

拙い文章ではありますが最後までお付き合い頂ければ幸いです。

スタートダッシュ

新型コロナウイルス感染症の影響で、例年とは異なる12月に開催された第78回早慶バスケットボール定期戦。インカレベスト8の早稲田大学に、あと一歩。そんな早慶戦の興奮が冷めやらぬ中、2021年度のチームはスタートしました。

というのも、今年のチームとしての活動は、オンラインミーティングからスタートしました。

年末年始の帰省を終え、日吉の寮に帰寮しようとしたところ、緊急事態宣言の発令を受け、福岡の実家にとどまることになりました。

「またか」というのが率直な気持ちでした。不安や焦りを感じつつも、昨年度の経験もあり、オンライン上でもどのようなことをすればいいかは、ある程度イメージすることができました。

3月の半ばに、無事に帰寮することができ、そこからチーム練習を再開しました。

基礎の基礎からリスタートです。4年生の選手が6名抜け、選手はチャンスを掴もうと必死に練習に励んでいました。しかし、数か月間の自粛で衰えた体が気持ちに追い付かず、怪我人が続出しました。コートの外から見ていて、とても歯がゆかったです。

この時期は選手やスタッフ、一人一人が自分自身と闘っていました。チームへの貢献を問う中で、チームを去る部員もいました。

そんな中、学生コーチとしてチームのためにできることは何だろうと必死に考え、色々と試してみましたが、どれも空回りしていた気がします。

新入生を迎えて

4月になり、今年も多くの新入生が体育館に足を運んでくれました。入部する、入部しないに関係なく、多くの新入生がチームに興味を抱いてくれることは、僕たちにとって非常に嬉しいことです。これはSNSを通じて呼びかけを行い、オンライン説明会を開催してくれる広報係のおかげです。

さらに嬉しいことに、浪人を経て、体育会バスケットボール部に入部したいと言ってくれる部員がいました。僕自身、予備校での浪人、他大学での一年の在籍を経て入学しました。同期にも、浪人を経験して入部してきた山下がいます。2年生の熊野も浪人経験者です。

どうしても入りたい大学がある、どうしてもやりたいことがある。そんな強い意志をもって浪人した学生が、このチームで一緒にバスケをしたいと言ってくれている。こんな嬉しいことはありません。

浪人を経験し入部した僕たちが頑張ることで、これから入部してくる後輩たちの希望になれるかもしれない。そう思って、日々老体に鞭を打って選手のリバウンドに励んでいます!(最近は膝にガタがきています。)

ちなみに、年齢的には僕は4年生より年上という不思議な関係です。

心から尊敬できる年下の先輩方です。

少し話がそれましたが、新たに1年生6名を加えて、練習がスタートしました。

1年生も少しずつチームに慣れ、

「いざトーナメントに挑もう。」

そんな矢先、僕らを待っていたのは、度重なる試合の延期と、体育館の利用制限でした。

試合の延期で、選手は気持ちのコントロールが難しかったと思います。

スタッフである僕も、試合に向けて練習を組み立てていくことの難しさを、日々感じていました。

また、体育館の利用時間が短縮され、十分な練習時間を確保できない日々が続きました。

怪我をしているメンバーは試合に間に合うだろうか。そもそも試合を開催できることができるのだろうか。

そんな不安の中でも、チームは前に進むしかありませんでした。

早慶戦

度重なるトーナメントの延期で、気づくと6月末になっていました。

練習試合も組むことができず、チームとして初めて臨む対外試合が早慶戦。こんな代は今年のチームが初めてだと思います。

僕自身、学生コーチとしては二度目の早慶戦でしたが、昨年以上に不安でいっぱいでした。

何しろ、自分達のプレーがどれほど通用するかも分からなければ、どんな試合展開になるかも全く予想がつきません。

スタートのメンバーが緊張で思い通り動けなかったらどうしよう。控えのメンバーが吹っ飛ばされたらどうしよう。そんなことを考えていましたが、試合前にベンチで集まった際、その不安は払拭されました。

選手、スタッフ、その場にいる全員の目は、試合ができる喜びに満ち溢れていました。

「自分たちがやってきたことに間違いはない。自分を信じよう。仲間を信じよう。俺たちのバスケを40分間やって、今日は必ず勝とう」そう言って選手をコートに送り出しました。

4年生がコート内外でチームを鼓舞し、ルーズボールに飛び込みます。

最上級生として、プレッシャーもある中、気迫のこもったプレーでチームを盛り立てます。

4年生がシュートを決めたときは、試合中でしたが涙が出そうになりました。

試合経験豊富な3年生が、プレーでチームを引っ張ります。

下級生の頃は周囲への発信が無く、殻にこもっていた同期が、コート上でチームメイトを集め話している姿を見ていると、巣立つ雛鳥を見守る親鳥の気分になりました。

また、怪我で苦しんできた同期が、泥臭くルーズボールに飛び込み、体を張ってディフェンスする姿を見て、魂が熱くなりました。

2年生はコート上の誰よりも早く走り、1年生は怖いもの知らずのメンタルで、果敢に早稲田のゴール下に攻め込みます。

どんなに劣勢になっても、最後のブザーがなるまで、ベンチの全員が声を出し続けました。(もちろん、マスクを着けて、ソーシャルディスタンスを保ってです)

結果的には、19点差での敗戦になりました。

僕自身、チームを勝利に導けなかった悔しさでいっぱいです。

早慶戦は、歴史と伝統があり、色んな人の思いが詰まったゲームです。ナイスゲームで終わって良い試合ではありません。ただ、僕は現時点で出来る最高の試合ができたと思っています。コントロールできないものが多い中、コントロールできるものだけに目を向け、自分達の課題と向き合ってきた結果だと思います。

ただ、足りない部分が多くあるのも事実です。

大事なことは、この敗戦を次にどう活かすか。

ここから何も学ばないのであれば、早稲田には来年も勝てないし、リーグ戦を戦い抜くこともできないと思います。

秋のリーグ戦では、さらに強く、さらに素早く。そしてどこのチームよりも泥臭く。

そんなバスケットボールを、応援してくださる皆さんにお見せしたいと思います。

このチームで少しでも長くバスケットがしたい。試合に勝ってみんなで喜びを分かち合いたい。これが、4年生と一緒に過ごす最後のシーズンを前に、僕が感じていることです。

誰かの成功を本気で喜べる最高のチームメイトです

最後に

このような状況下で、早慶戦、トーナメントを無事終えることができたのは、OBや父兄の方々のサポートはもちろんのこと、関東大学バスケットボール連盟、早稲田大学の皆様のご協力のおかげです。

日頃からサポートしてくださる方々のためにも、私達は一生懸命練習に取り組み、少しでも成長した姿を見せられるよう、日々精進いたします。

拙い文章ですが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。