ブログリレー 清水綺介

「奮軌」

はじめに

 誠に僭越ながら自己紹介させて頂きます。慶應義塾大学経済学部4年並びに体育会バスケットボール部所属の清水綺介と申します。今シーズンよりチームの副将を務めさせて頂いております。約1年ぶりのブログという事で、今回は過去の怪我の事や副将に選ばれた時の心境、春シーズンの振り返りなどを盛り込んだ結果、まとまりのないブログが出来上がってしまいました。山口(4年・文・海城)の魂のブログの後に掲載されるのは大変恐縮ですが、一生懸命書いたので読んで頂けますと幸いです。

挫折を糧に

 4年生としてラストシーズンを迎えるにあたって、まずは自分の中で大きなターニングポイントとなった怪我についてお話しさせて下さい。

私は昨年5月のトーナメントにて、左膝の半血板を断裂する怪我を負いました。バスケットボールを始めてから10年以上大きな怪我を掻い潜ってきた私でしたが、ベンチから試合に出場して早々に膝が捻れた瞬間は「さすがにこれはやばいかも」と思いました(笑)。しかし、チームは7月に早慶戦を控えている中で、自分自身はじめて代々木の舞台に立てるかもしれないチャンスを逃してしまうのが怖く、早慶戦に出たいという意志を曲げる事はありませんでした。

早慶戦までの2ヶ月間は、「勝ちたい」「試合に出たい」という気持ちとは裏腹に、全く思うように動かない足に焦りとフラストレーションが溜まっていました。練習に再合流する事が出来たのも本番の1週間前の事で、理想とは程遠いコンディションだったと思います。

それでも早慶戦ではわずかながらプレータイムを頂きました。ほとんど使い物にならない自分をコートに送り出してくれたコーチ陣やチームメート、そして何より試合に出たいという気持ちを汲み取ってコンディショニングして下さった軽部さん(社会人トレーナー)と神吉(4年・学生トレーナー)には感謝しています。

わずか2分の出場でしたが、憧れだった代々木の舞台にコートインした瞬間は込み上げるものがありました。結果的には大敗を喫して苦い思い出になってしまいましたが、あの時の悔しさをコート上で、直接肌で感じる事が出来たからこそ「来年は絶対に雪辱を晴らす」と感じる事が出来たと思います。

 早慶戦後はラストシーズンに賭けるために、手術する決断をしました。これを境に先輩方と一緒にコートに立てなかった事は悔しかったですが、4年生としての最後の1年を戦い抜くために8ヶ月間リハビリに取り組みました。リハビリ生活は想像以上に長く精神的にも過酷でしたが、一方でたくさんの学びを得られた期間でもあり、何よりもバスケが好きだという気持ちを再認識する事が出来た期間でした。

毎日バスケットボールに熱中できる環境が当たり前ではないという事、そして、だからこそ悔いのないように毎日本気で取り組まなければならないと考えるようになりました。この怪我の期間で学んだ事や感じた悔しさを糧に、ラストシーズン走り抜けたいと思います。

リハビリwith軽部さん(📷:神吉)

春シーズン

 話は変わって、春シーズンを振り返って感じた事について書こうと思います。新チームの活動は昨年11月の合宿から始まりました。リーグ戦を終えて多くのチームが長期オフに入る中で、私たちは新体制のもとで基礎に立ち返って練習に励みました。特別身体能力が高いわけでもなく、タレント揃いのチームではないからこそ、チームの土台となる基礎にこだわって練習を積んできました。

また、新チームの体制について同期で話し合う中で、私は副将という役職に選んで頂きました。副将に選ばれた時は、伝統あるチームで5番を背負う事に誇りを感じた一方で、今まで以上に「見られる」立場になる事に緊張感やプレッシャーを感じました。

また、主将という立場は経験してきたものの、副将を任されたのは初めての事だったので立ち回りの難しさなども感じました。春シーズンはバスケット面、精神面共に好不調の波が大きかったという反省点もあるので、秋はブレる事なく今まで以上に自分の色を出してチームを勝利に導けるリーダーに成長したいと思います。

 春シーズンの振り返りと書きましたが、振り返る上で大事な指標となるのが早慶戦です。私たちのシーズンは早慶戦を境に春シーズンと秋シーズンに分かれており、秋は2ヶ月間の長いリーグ戦を戦い抜くわけですが、春シーズンは早慶戦1試合のために長い時間をかけて準備します。

つまり、「早慶戦に勝てたかどうか」という事が春シーズンを振り返る上で最も大事になります。結果として、私たちは敗れてしまいました。3Qまでほぼ互角の勝負ができたものの、最後に力の差が出てしまったと思います。結果だけ見れば春シーズンは失敗に終わってしまったと言えるでしょう。ただ、私たちがこれまで11月から取り組んできた事が間違っていたとは思っていません。早慶戦には負けてしまいましたが、一方でたくさんの成功体験も得られた春シーズンでした。

それは間違いなく、地味な練習でもしっかりと取り組んできたからだと思っています。ただし、今年のチームは結果にこだわると決めたからには、更なる高みを目指して必ずリーグ昇格を達成したいと思います。

たくさんの応援ありがとうございました。

最後に

 ここまでお読み頂きありがとうございました。

私たちが日々活動できているのは、日頃より支援してくださっているバスケットボール三田会の皆様、応援してくださっている皆様のおかげです。改めて、この場をお借りして御礼申し上げます。

9月には、私たち4年生にとって最後となる秋のリーグ戦が開幕します。今年のチームはまだ何も成し遂げていません。4年生として「奮軌」し、2部昇格という残された最後の目標を必ず達成して、結果でこのチームに恩返しできるように努力して参りますので、引き続き応援の程よろしくお願い致します。