「徹」
はじめに
こんにちは。本年度、慶應義塾大学體育會バスケットボール部副将を務めさせて頂いております藤井陽右と申します。
今の私たち、とくに4年生はいつ最後の試合、練習が訪れるかわかりません。今何ができるかを考え一日一日を過ごし、悔いのない慶應バスケ部での活動を送りたいと思っています。
日頃よりご声援のほど誠にありがとうございます。
「早慶戦優勝」「3部全勝優勝」に向けて、日々精進してまいりますので、これからも何卒よろしくお願い致します。
活動再開
バスケットボール部では2月末より活動を自粛し、オンラインでのミーティングやトレーニングを行ってきました。
7月から徐々に少人数でのシューティングなどを始めてきましたが、8月15日から実家に帰省していた部員も練習を再開し、本格的に活動が始まりました。
全体を2つのグループに分割し、時間をずらして練習を行っており、こまめな消毒や更衣室、部室での人数制限など様々な感染対策を講じながら、日々の練習に取り組んでいます。
長い自粛期間ではバスケットボールができないもどかしさを痛感しましたが、これまでの日常の大切さを認識できました。
まだ以前のような当たり前が戻ったわけではありませんが、日々練習ができる事に感謝し、何より楽しんでいます。
私が小学校の頃に読んだバスケットボールの雑誌でこのような言葉を残しているNBA選手がいました。
「私は毎試合を人生最後の試合だと思ってプレーしている。」
1シーズンで81試合をプレーする選手がこのようなマインドを持っている事に、当時の私は驚きました。
コロナウィルスの影響でこれから先の大会や練習など、まだまだ不確実な要素が多いです。
自粛期間を経て
久しぶりの練習はやはり体力的にかなりきつかったです。
ディフェンスの敏捷性やシュート精度など自粛前よりも落ちていると感じました。
これから以前の状態に戻しさらに超えていかなければなりません。
しかし、自粛期間はチームにとってマイナスな事だけではありませんでした。
以前よりも「考える力」がついたと感じました。
自粛前はチームルール―や基礎を愚直に徹底する練習を行っていました。
もちろん日々全力を出し、チームのレベルを上げようと真剣に取り組んでいました。
しかし、それは決められた正解に向かっていくもので、考える事が欠けていました。
新チームがスタートして間もなかったためそのような練習も必要でした。
しかし、あの練習をいつまでも続けていても次のステップに進めない事は、自粛期間でミーティングを重ねたチームメイト全員が感じていると思います。
このメンバーで最大限の結果を出すためにはどうすべきか、この自粛期間に部員一人一人が真剣に考えてきました。
そのため、以前に比べて練習やミーティングでのコミュニケーションの量が増え、意見を発信する部員が多くなった事は練習を再開してすぐに感じました。
今年のチームスローガンである「徹」には2つの意味が込められています。
一つはやるべき事を徹底する事。
もう一つは一人一人が自分にしかできない役割を考え徹する事です。
今までのようにやるべき事を徹底する事ももちろん大切にしていかなければなりません。
慶應らしさである「ディフェンス・リバウンド・ルーズボール」は、この愚直さなしには成り立ちません。
しかし、これからは自分はチームに何が求められているのか、何ができるのかを考え徹していく事が必要だと考えています。
今年は特にずば抜けて上手な選手がいるわけでもありません。
例年に比べて選手個人の能力も低いと思います。
だからこそ、一人一人が自分にしかできない役割を考え徹していく事で、今いるメンバーの最大限の力を引き出す事が必要です。
そのチーム力がなければ「3部全勝優勝」「早慶戦優勝」は成し得ないと思っています。
最後に
下級生の頃、私は自分たちの代がどうなるのか不安でした。
精神的にも技術的にも先輩方に比べて、あまりに未熟でした。
まだまだ至らないところも多々あります。
しかし、一人一人がチームのために行動する頼れる仲間になったと思います。
今ではこのメンバーで目標に挑戦できる事がとても楽しみです。
このメンバーで勝ちたいと思うようになりました。
日々バスケットボールができる事に感謝し、仲間と力を合わせて、これからの様々な困難を乗り越えていきたいと思います。
今後とも、慶應義塾大学體育會バスケットボール部の応援を宜しくお願い致します。