はじめに
新型コロナウイルスにより世界が一変した2020年。
そして現在も、緊急事態宣言が発令され、制限される毎日。今もなお、多くの方々が私たちの生活を支えてくださっています。この場を借りて、感謝申し上げます。
今シーズンは、多くの大会が中止となる中、Autumn Cupと早慶戦を無事開催することができました。ご尽力いただいた関係者の皆様にも重ねて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
人生のほとんどをバスケットボールと共に過ごしていたため、現在の何もない生活にとても違和感を抱きながらラストブログを書こうとしています。
偉そうなことを言えたり、誇れるような実績を残したりしたわけでもありませんが、そんな私が今、感じたこと、様々な想い、私たちの軌跡をラストブログで残していきたいと思います。
拙い文章で恐縮ですが、最後までお付き合いください。
私たちの最後の1年
12月19日に行われた早慶戦で私、寺部勇佑の15年間のバスケットボール人生に幕を閉じました。私のバスケットボール人生を一言で表すと「あっという間だった」この言葉に尽きると思います。
今まで生きてきた中で最も濃い時間を過ごしたのが慶應義塾大学での4年間でした。
その中でも最後の1年。2019年度のリーグ戦が終わり2日後に始まった新チーム。右も左もわからずに始まったチーム作り。毎朝6時半に集合し、慶應義塾の目的から慶應義塾體育會の理念、チーム哲学など、塾生としてあるべき姿を追求し続け、全員が納得するまで同期と共に毎日のようにミーティングをしていました。
“今年の慶應義塾體育會バスケットボール部が目指すチーム像って何だろうか”
“目標を達成するためにやらなければいけないことは”
“俺たちの存在意義って”
“最上級生としてやるべきことは”
“どうすればチームは勝てるのか”
などなど、話さなければいけないことは山積みでした。1つずつ私たちの代なりの答えにたどり着き、その中で決まった“徹”というチームスローガン。一人一人が自分自身のチームでの役割を認識し、責任を負い、責任を全うするチーム。そして、塾生としてあるべき姿の徹底。一人一人が最大限の努力をし、早慶戦優勝、2部昇格を達成する。
2年前、鳥羽さん(2019年卒)を始めとする先輩方が示してくれた慶應義塾體育會バスケットボール部のあるべき姿。先輩たちがいたから今の私たちがいると言っても過言ではありません。
そして、1日1日が一瞬で過ぎていき、少しずつチームが前進していることを実感しながら、初の大会まで1ヶ月のところで、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための活動自粛の発表。
すぐ活動再開になるだろうと思いながらも、その気持ちとは裏腹に新型コロナウイルスの脅威は私たちを襲い、全てが一瞬にして崩れる感覚。再開の目処がなかなか立たず、正直なところ、もうこのままバスケはできないのではないかと思っていました。
しかし、同期をはじめとする、部員全員、誰も下を向いていませんでした。活動再開後のために、自分たちができる最大限の努力をしていました。
今、振り返って考えてみると、この活動自粛している期間がチームの結束力をさらに強くし、成長させたのではないかなと思います。
およそ5ヶ月が過ぎ、やっと練習が再開されました。みんなに会えて嬉しかったし、バスケットボールが楽しかった。今でも当時のことを覚えています。
そして、全員で乗り越えられないと思っていた多くの壁を乗り越え、やっと辿り着いた12月19日。部歌を歌う声が鳴り響く日吉記念館で、これまでの辛かったことや苦しかったこと、楽しかったこと、嬉しかったこと、様々な出来事がフラッシュバックし、涙が溢れました。
「ここまで長かったな」という想いと共に「もう終わりなのか」という複雑な気持ち。
仲間が気づいていたかはわかりませんが、涙を流さないように必死に我慢していました。(多分バレていないはず、マスクもしていて顔も隠れていたので…)
試合前に泣くなよって思う方がいらっしゃると思いますが間違いないです。その通りです。しかし、それほど今年は1戦1戦に対しての想いが強かった。コロナ禍でいつ引退が宣告されるかわからない中、来るべき早慶戦に向けて部員全員、関係者の方々が最善の準備を進めてきました。両校の関係者から新型コロナウイルスの感染者が出ず、多くの奇跡が重なり開催された今年の早慶戦。涙を堪えきれなかった。
結果としては、68-91で負けてしまいました。とても悔しかったです。この1戦に向けて全員が最高の準備をして挑みました。試合中何度も相手の背中が見えたと思ったら、その度に離され、早稲田の強さを痛感しました。本当に悔しかった。
しかし、今年の慶應が目指していた堅守速攻、全員バスケ、練習で取り組んできたことを全て出し切ることができました。綺麗事と言われるかもしれませんが、悔いなく私たちの代のバスケットボールを終えることができました。
1番長かったようで1番短かった1年。それほど濃い1年を過ごしました。
最高の仲間と共に泣いて笑って過ごせたこと、本当に幸せでした。
後輩に伝えたいこと
私が、後輩に伝えたいことは1つだけです。それは「全力で楽しめ」ということです。
今年は例年と違って、スーパースターやエースがいないチーム、全員で戦わなければ勝てないチームでした。
そのため、辛い練習を多くしました。トレーニングをたくさんしました。ミーティングをたくさんしました。バスケの戦術で覚えることがたくさんありました。
大変なことがたくさんあったと思います。その中で、モチベーションをどれだけ上げられるかは自分次第です。自分自身は下級生の頃、全くできていませんでした。偉そうに言える立場ではないですが、そんな私から言わせてください。
「全力で楽しめ」
どうせやるなら楽しんだ方がいいし、辛いことも苦しいこともあると思うけど、仲間と一緒に楽しんでやったらなんとかなります。
今年、自分はみんなのおかげで楽しくバスケができました。本当に楽しかった。本当にありがとう。来年は快と小澤が中心となってやると思いますが、気負うことなく、何事も楽しみながら頑張って欲しい。
来年度こそ、2部昇格、早慶戦優勝が達成できると信じています。
応援しています。
最高の同期たち
先輩方にたくさん迷惑をかけたのは俺たちの代。
ポンコツな代、どうしようもない代と言われた俺たちの代。
その中でも同期に一番迷惑をかけたのは間違いなく俺だと思います。
たくさん迷惑をかけたけど、それでも見捨てずに接してくれてありがとう。
4年間、たくさん泣いて、たくさん苦しんだ。
みんなと一緒だったから乗り越えられたんだと思う。
4年間、たくさん笑った。
みんなと一緒だったから笑えたんだと思う。
照れ臭いので、ここまでにしておきます。
これだけ言わせてください。
みんなと出会えて俺は幸せだ!!!
両親へ
お父さんとお母さんのおかげで15年間、大好きなバスケットボールをすることができました。
小学生の頃から、どんな試合会場でも、自分が試合に出ていようが出ていなかろうが応援しに来てくれてありがとう。僕にとって、一番の応援団でした。
また、大学3年の夏、バスケを辞めたいと言った時。止めてくれたこと本当に感謝しています。あの時辞めていたら一生後悔するところでした。
15年間のバスケットボール人生、悔いなく終えることができました。
本当にありがとう。
さいごに
大学4年間、OBの方々をはじめ多くの方々にお世話になりました。
本当にありがとうございます。
昔から憧れていた慶應義塾大学のユニフォームを着て、戦えたことを誇りに思います。
そして、同志と共に肩を組み歌った若き血、絶対忘れません。春から社会人の予定です。同期の津野地も言っていましたが、この4年間で得た考え方や経験を胸に、日々精進していきたいと思います。そして、いつか恩返しをしたいと思います。
私のバスケットボール人生は多くの方々の支えがあってのものでした。
バスケットボールが多くの方々との出会いを与えてくれました。
バスケットボールが多くの経験を与えてくれました。
バスケットボールは私の青春でした。
今まで本当にありがとうございました。
バスケットボールとみなさんに出会えたことに感謝。