こんにちは。慶應義塾大学法学部法律学科3年ならびに体育会大学女子バスケットボール部の足立はなと申します。どうぞ宜しくお願い致します。
現在の4学年でのチームが始動して、既に4か月が経過しようとしています。今年度は、プレーヤー8名、マネジャー1名の計9名もの新入生が入部してくれたことで、また昨年度とは少し違ったチームの空気も生まれ、各々が新鮮な気持ちで日々の練習に臨めているように感じます。
春の関東トーナメントに始まり、慶関戦、早慶戦と、ここまで本当にあっという間でした。部員それぞれが、チームにおける役割を模索しながら、時には自分自身と葛藤しながら手探りでここまで駆け抜けてきた印象を受けます。少なくとも私自身はそうでした。
プレー面において、またそれ以外の面において、自分がチームのためにやるべきことは何か。そして自分は何がしたいのか。
現チーム全員揃って初めての公式戦となったトーナメントでは、1点差で敗北を喫しました。
「あのレイアップが決まっていれば」
「あのフリースローが決まっていれば」
「あのシュートを押さえられていれば」
後から言ったところで机上の空論にすぎませんが、試合終了後、このような悔しさと不甲斐なさが残る試合でした。
しかし、何よりも情けなかったのは、そのような決めるべきシュートを落としてしまったチームメイトに対して、自分自身が何もアプローチできなかった点です。タイムアウト時に明るく迎え入れて励ますわけでもなければ、厳しい言葉をかけて叱咤激励するわけでもなく、チームの落ちていく空気にベンチごと飲み込まれてしまっていました。
そして1か月も経たずに迎えた慶関戦。
トーナメントとは異なり、圧倒的に格上のチームとの対戦でした。
ある程度、相手に波を持っていかれてしまう時間帯が訪れることは、チーム全員が認識していたはずです。
だからこそ、トーナメントの反省を生かし、コート内の空気が重くなってしまった際にベンチがどう対応するかが鍵になると思い、試合に臨みました。
最終的に120%出し切れたのかと訊かれると、正直そこまで自信を持って断言することはできません。
しかし、トーナメントと比較すれば、格段に明るい雰囲気の中で、コートに立つプレーヤーも堂々とプレーできていました。
慶関戦は不参加の1年生もおり全員そろっての試合ではありませんでしたが、トーナメントから少しずつ、そして着実にチームとしてまとまってきていると実感できた遠征となりました。
6月22日には、早慶戦が行われました。試合が開始し、個人技で勝てるポイントはほとんどないと全員がすぐに感じたはずです。
それでも、コートに立つ5人はリバウンドやルーズなど、粘り強いプレーからオフェンスチャンスを掴み、「慶應らしい」バスケを魅せていました。
では、ともにコートに立っていない私に出来ることは何か。
春シーズンの間、常に考え続けてきた問題でした。
目の前の試合、戦っているチームメイトを懸命に応援しながらも、どこか自分本位に考え込んでしまう時間や、トーナメント同様、コート上の雰囲気に気持ちを引っ張られてしまう時間があり、「ベンチからコートに対して積極的にアプローチし、チームを作る」ことを達成しきれませんでした。
「チームが一つになる」
言葉で言うのは簡単です。
しかし、これを実践することがどれだけ難しいか。この春シーズンを通して強く痛感しました。
たとえば、圧倒的な点差をつけて試合に勝利すること。
日頃の練習での目標や全員の共通認識として意識していた注意点が明確に試合に反映されること。
全員が心の底から「やりきった」と言える試合をすること。一般に「チームが一つになる」とはこのようなことだと思っていました。
しかし、これだけではチームとして不十分なのです。
いくらコート上では良い試合が行われていても、そこにベンチメンバーの気持ちが寄り添っていなければ、その勝利はチーム一丸となって勝ち取ったものとは言えません。
反対に、いくらベンチメンバーが盛り上がり懸命に声を出していたとしても、コート上で何ひとつ私たちらしいプレーが発揮できなければ、その試合は結果も含め完全に敗北したと言わざるを得ません。
目に見えた形での、すなわち得点と言う意味での勝利に加えて、チーム全員が誰一人欠けることなく「その勝利のためには自分の存在が必要であった」と思えることが絶対に必要だと感じています。
繰り返しになりますが、春シーズンを通して私はいかにこの達成が容易ではないか実感しました。
それと同時に、今その力を身につけられれば、間違いなくチームは大き成長できるだろうということも確信しました。
昨年と比較して、今年のリーグ戦では格上の相手と対戦する機会が一段と増えます。
その中で、バスケの実力のみで戦っていくことは非常に厳しいと思います。
それぞれがこのチームの一員としての強い自覚と責任を持てるよう、一歩ずつでも着実に、チーム力を高められる夏にします。