私の座右の銘 -伊熊そら

 今年度も昨年度好評だった部員によるブログリレーを掲載致します!

 関東大学女子バスケットボールリーグ戦の開幕を目前に控えた今、互いに「私の座右の銘」を紹介することで、部員同士でモチベーションを高め合い、読者の皆様にも、部員の想いや熱意が伝わればと思っております。

 部員一同21名、自分と向き合いながら丁寧に文章を紡がせていただくので、最後まで楽しんでいただければ幸いです!

第1回目は、文学部3年の伊熊そらです。

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「雨の日も」

こんにちは。慶應義塾大学文学部3年並びに体育会女子バスケットボール部の伊熊そら(CN:イト)と申します。よろしくお願いいたします。毎夏恒例のブログリレーが今年もスタートし、誠に僭越ながら私がトップバッターを務めさせていただくことになりました。どうぞ最後までお付き合いください。

さて、今回のテーマは「私の座右の銘」ということですが、残念ながら私には一言でビシッと言い表せるような座右の銘はありません。ということで、初回にして恐縮ですが、代わりに私に大きな影響を与えた、あるアーティストの歌詞を紹介させていただきたいと思います。

“雨の日も晴れの傘”さして

優しくされた記憶を

ぶらさげて歩きたい

私は昨年の12月に前十字靭帯断裂という大怪我を負い、現在まで約8か月間、まともにバスケットボールをプレーすることができていません。唐突に直面した到底受け入れ難い現実に茫然自失とする中、この歌詞に出会い、自分もこうありたいと強く心を動かされました。怪我をしてからの期間は客観的に見ると「雨の日」でしょうが、それでも晴れているかのように振る舞って、失ったものを数えるよりも、誰かにしてもらったことを大事に抱えていきたい、そう思えるようになりました。

思えば怪我をしてから、周りの人の優しさに気付かされることばかりです。受傷直後に電話やLINEをくれたこと、くだらない話で笑わせてくれたこと、歩幅を合わせて歩いてくれたこと、手術前後にたくさんのメッセージをくれたこと、数えきれないくらいリバウンドを拾ってくれたこと、トレーニングに付き合ってくれたこと、リハビリの進捗の度に喜んでくれたこと、挙げ出すとキリがありません。人にもらった優しさをひとつひとつ噛みしめると、悲観的になってなんかはいられないと、それこそが私の頑張る理由だと、そう思えるのです。

現在の私の状況は、周りから見れば「かわいそう」なのかもしれません。それでも、少なくとも自分だけは自分のことを憐れまずに、乗り越えるべき試練に直面しているだけなのだと、自分にはそれができるはずだと「思い込む」ようにしています。

それは時に強がりかもしれませんし、強がりも思い込めば本心になる、というのは私の単純さゆえかもしれません。ともあれ、常に物事の良い側面を見つけること、失ったものを数えた後でまだ手に入るものを数えてみること、周囲の支えを自覚し感謝することは、私の指針になっています。

最後にあえて座右の銘らしくまとめてみるならば、「雲外蒼天」とでも表せましょうか。分厚い雲を抜けた先に、信じられないほど蒼い空があると信じて、復帰のその先まで、チームの一員として精進して参ります。そして、支えてもらったたくさんの方々へ、必ず恩返しができるよう努めます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

周りの優しさに気付いた

次回は愛猫家でチーム随一のリケジョ、理工学部2年の吉田千里(CN:ルカ)です。お楽しみに!