私の理想像 -伊熊そら

『悩み苦しむ幸せ』

 こんにちは。慶應義塾大学文学部4年並びに体育会女子バスケットボール部の伊熊そら(CN:イト)と申します。僭越ながら、昨年に引き続きブログリレーのトップバッターを務めさせていただくことになりました。どうぞ最後までお付き合いください。

 さて、今回のテーマは「私の理想像」ということで、日頃から将来のことなどまるで考えていない私ですが、これを機に、今後の理想の人生について想像してみました。綺麗な字を書けるようになりたい、駅から徒歩5分以内の家に住みたい、猫と穏やかに暮らしたい、誰にも迷惑をかけずに死にたい……。つらつらととりとめのないことばかり思いつくものの、芯がなく面白みのない理想です。

 しかし、幼い頃からバスケットボールばかりやってきた私が、数か月後には学生スポーツからの完全な引退を迎える。そのとき自分はいったいどうなってしまうのだろうと不安になったとき、この先の将来における、1つの理想が浮かび上がりました。

 それは、「好きなことに本気で向き合って、本気で悩んで、本気で苦しむ」ということです。好きなことを楽しむことは、この先いくらでもできるでしょう。しかし、好きなことに悩み苦しむくらい、本気で向き合うことは、社会に出てからいったいどれだけの人が成し得ているでしょうか。
 苦しい時期ばかりだった高校の部活を引退したとき、それまで自分の心を占めていた一切の悩みから解放された私の胸に満ちたのは、喜びではなく虚無でした。振り返ってそのことに思い当たったとき、私の理想は、きっとそういうことなのだと確信しました。

大きな熱量で挑んだ早慶戦

 現在、体育会女子バスケットボール部で活動できていること。競技にもチームにも人にも最大限の熱量をもって向き合えていること。これが、これから先の私にとっての理想像そのものです。社会に出てから、仕事がバスケットに代わるものとなれば、そんな僥倖はありません。しかしそれがどんなに稀有なことかも理解しているからこそ、本気で悩み苦しめる今を大切にしようと思うのです。

 私にとって最後のリーグ戦が、先日開幕いたしました。引退まではおよそ2か月半。4年間の大学バスケを笑顔で終えるためには、2部入替戦出場という目標を達成する他ありません。どんな状況でも食らいつき、チーム全員で必ず結果を掴み取りますので、引き続きご支援ご声援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。次回は圧倒的なセンスで弊部の広報活動を盛り上げている、環境情報学部4年の島谷姫らら(CN:アキ)です。お楽しみに!