私の理想像 -稲垣百桃

『ないものねだりの先に』

1年生ながらテキパキと仕事をこなし、チームを支えてくれるしっかり者のマネージャー、水之江真季(CN:ムギ)からバトンを受けました、慶應義塾大学経済学部2年並びに体育会女子バスケットボール部の稲垣百桃(CN:クウ)です。拙い文章ではありますが、最後までお付き合いいただけますと幸いです。

「理想像」というテーマを与えられたとき、最初に思い浮かんだのは、自分とは対照的な人たちでした。例えば、時間をきちんと管理できる人、1つのことに集中できる人、そのような人たちを見ていると、自然と「かっこいい、私もこうなりたい」と思います。しかし、こうした理想像に違和感を感じたため、この機会に考えを深めることにしました。

振り返ると私は、小さい頃からずっと、他者と自分を比べることで、ないものねだりをしてきました。「どうして自分にはできないんだろう?」「私は何も成し遂げていない」など自己嫌悪に陥ることも多く、いつも他の人の優れた面に目が行き、自分にはそれがないと感じることで、自信を失っていました。

しかし、何度もそうした感情と真剣に向き合ってきたことで、少しずつ気づきが生まれました。それは、自分が持っているものに目を向けなかったために、無意識のうちに自分を蔑んでいたということです。

私は好奇心旺盛で、自分で何かを作ることが大好きな性格です。新しいことに挑戦することも好きで、頭の中には次から次へとアイデアが浮かびます。しかしながら、そのせいで1つのことをやり遂げる前に別のことに手を出してしまうことが多く、結果的に中途半端で終わってしまうこともあります。この「完成しない」ことも悩みの1つでした。

そんな自分に対して、計画通りに物事を進め、1つのことを長く続けられる人に憧れる気持ちは、今でも消えていません。しかし、自分と対照的な人たちに憧れる一方で、もし自分がそのような性格だったら、今の自分の遊び心やクリエイティブな側面が恋しくなるのだろうとも思います。

これらの思考を通してたどり着いた、私の理想像は「自分を信じ、愛せる人」です。他人と比べて自分を責めるのではなく、自分が持つ良さに気づき、それを大切に育てていくこと。すべてを手に入れることはできないと認め、無いものではなく、今あるものに目を向けること。他人ではなく自分の中にある強さを信じ、今の自分を受け入れて生きていく。これが自分の理想の姿です。

そして、この姿勢は部活動にも通ずることだと痛感しています。1人だけで全ての技術を賄うことは難しいけれど、自分にできる役割を磨き、全うすることでチームに貢献していきたいです。

それぞれが自分の役割を全うする

さて、1次リーグが終わり、今週末からは2次リーグが始まります。目標である入替戦出場を達成するためにより1戦1戦が大切になってきますが、引き続きチーム一丸となって頑張りますので、ご声援のほどよろしくお願いいたします。

最後まで読んでくださりありがとうございます。次回は、笑顔で場を明るく照らし、優しさと思いやりがプレーに光る頼れる先輩、文学部3年の河村さくら(CN:コト)さんです。お楽しみに!