甲谷勇平(2021年卒)
○現役の時の立場とがんばり
2020年度チームの主将を務めました甲谷です。2020年度チームは、新型コロナウイルスの第1波や第2波の影響を受け、次々と大会が延期・中止になる前例のない状況の中、活動していました。感染拡大の影響を受け、活動停止期間も経験しました。そのような、一歩間違えばチームがバラバラになってしまう状況下で、何よりも大切にしたのが「今できることを全力で取り組む」ということでした。大会を見据えてもその大会が延期・中止になってしまうため、目標が定められない状況でした。そのため、未来から逆算するのではなく、「今、ここ」に全力を注ぎ込むようにしました。活動停止期間中は、“止まない雨はない”と思い、いつか必ず全員が揃って練習する日のためにオンライン上でのトレーニングやミーティングに取り組みました。そして、何とか秋のトーナメント戦と早慶戦の4試合を行うことができ、もっとこのチームでバスケがしたかったと少し心残りはあったものの、全力で駆け抜けた大学4年間に今は全く後悔していません。体育会活動を通して得た学びが現在の活動に繋がっており、自分を成長させてくれた体育会バスケットボール部に感謝でいっぱいです。
○体育会活動と今の大学院の研究のつながり
体育会活動と今の大学院の研究の繋がりの前に、まず卒業論文の執筆が私にとっては大きな分岐点となりました。私は、部活動で抱いた課題意識をもとに卒業論文の執筆に取り組みました。当時抱いていた課題意識は、「どのようにすればメンバー一人ひとりの主体性を引き出せるか」でした。そして、メンバー一人ひとりの主体性はどのような変容過程を経るのかに興味を持ち、「組織における構成員の主体性の変容過程に関する研究」というテーマで卒業論文を執筆しました。そして、卒業論文の執筆を終えたわけですが、自分が抱いていた課題意識の奥底にあるモヤモヤが晴れることはありませんでした。そこで、学部卒業後は大学院の道に進み、自分の中に残っているモヤモヤについて深く探求しようと決意しました。そして、現在は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科というところで「チームの心理的安全性」という概念に着目し、チームの心理的安全性を構築するための方法論の開発に取り組んでいます。
○入部を検討してくれる人に一言
大学の4年間の過ごし方は人それぞれで、100人いれば100通りの4年間があると思っています。そんな中、体育会バスケットボール部の門を叩き、4年間の活動を通して大きく成長していく人も毎年います。体育会バスケットボール部に入部することで得られるものは「仲間」と「考え抜く力」だと思います。体育会バスケットボール部に入部すると、家族よりも長い時間を部員と過ごすことになります。大学を卒業する頃には、一生涯の友を得ており、大学卒業後もお互いに切磋琢磨し続けられる仲間を得ることができます。そして、体育会バスケットボール部は学生が主体となって運営するチームです。学生たちだけでチームの目的や目標を決めます。大人から目標や目的を与えられるわけではありません。0から自分達でチームをつくり、成果を出すことが求められます。そのため、徹底的に考え抜く力が鍛えられます。現状を把握し、ビジョンを描き、現状とビジョンの間にあるギャップに対して仮説を立て検証していくプロセスを何度も経験します。この経験を通して考え抜く力が現場を通して得られます。ぜひ入部をご検討されている方は、まずは練習の見学からでもいいので覗いて、直接体育会バスケットボール部を味わってみてください。