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ラストブログ 木村直哉
2021年3月1日 14:18| Comment : 0

はじめに
誠に僭越ながら自己紹介させていただきます。慶應義塾大学法学部政治学科4年の木村直哉と申します。大学1,2年次は一貫校コーチを務め、3,4年は大学バスケ部にてアナリストの活動をしておりました。
大学バスケ生活最後の年は新型コロナウイルスの流行により、様々な活動が制限されてきました。そのような状況の中でも、「早慶戦」という伝統の一戦を最後に引退することができたのは、すべてOB・OGの方々や家族の支えがあったからこそだと感じています。本当にありがとうございました。
前回のブログでは「4年生になって見えてきたこと」として自分の経験やチーム哲学の話を長々と書かせていただきました。少々考えすぎてしまい、逆に読みにくい文章になってしまったため、今回は特に考え過ぎずに書きたいと思います。(笑)
拙い文章ではございますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
孤独感
入部当初、私は多くの同期、先輩に囲まれながら、「孤独感」を感じていました。チームメイトから仲間外れにされていた訳ではありません。私が「人を頼ることができなかった」のです。
昔から人一倍負けず嫌いだった私は「出来ない」という言葉が嫌いで、出来るようになるまでひたすら自分で乗り越えようとしてきました。そうしているうちにいつしか「誰かを頼ること=逃げ」という考えが染みついていました。高校生までは、この考え方で何とか生きていけました。しかし、大学に入るとこの考え方では限界が来ます。1つの授業時間は高校の1.5倍ほど長く、試験範囲は何倍にも膨れ上がりました。それに加え、人生で出会ったことが無いほどハイレベルな人達がいるバスケ部での活動です。当時の私は限界を迎えていながらも、「誰かに頼ること=逃げ」という考えから抜け出すことが出来ずにいました。
その時私が取った行動は、人と距離を取ることです。大学1年生の頃、私たちの代は問題ばかり起こしていました。同期ミーティングが頻繁に開催され、誰かが非難されている姿を何度も見てきた背景があり、次に対象になるのは自分ではないかという不安からの行動です。この結果、私は「自分は何の為にバスケ部にいるのだろう?」という自己嫌悪に陥りました。自分の存在意義が分からなくなり、チームメイトにも頼れない。そんな状況がしばらく続きました。
出会い
自分の存在意義を見失った私に転機が訪れます。それは阪口明大(あきひろ)さんとの出会いです。この方は日本体育大学のバスケ部出身で、現役時代はアナリストとして活躍されていました。明大さんは、大学3年次(2019年)の早慶戦の前の3か月間、私たちのチームの助っ人に来てくださっていました。
明大さんは、何も出来なかった私にアナリストとしての知識や技術だけでなく、スタッフとしての在り方などを叩き込んでくださいました。それまで、誰とも絡もうとしてなかった私に対しても「木村、今日何してる?」と声を掛けていただき、3か月間ほぼ毎日一緒にいた記憶があります。朝練後から夜の練習前まで練習やチームについての話し合いをずっとしていました。そのような生活を続けていると、徐々に自分の出来ることが増え、チームの輪に入れるようになりました。
この時、私は誰かに頼ることの大切さを学びました。自分で出来ることには限界があり、誰かから教わることも一つの手段だと考えるようになりました。
明大さんとは4年生になっても個人的に連絡をさせていただくことも多く、最後まで大変お世話になりました。本当に感謝しかありません。
同期の存在
自分に出来ることが増えてくると、またしても「人に頼れない」という悪い癖が出てしまいます。「自分で出来る事は自分でやった方が早い」という思考回路に陥ったのです。そのため、最上級生として下級生の面倒を見てあげなければいけない立場にも関わらず、そこまで手を回すことができませんでした。気付くとスタッフから退部者が出ており、もっと色々声を掛けていたら…と後悔が残りました。
そんな私を変えるきっかけをくれたのが同期です。彼らは新型コロナウイルスの影響で目標であった2部昇格の道が絶たれ、早慶戦の開催も怪しくなっている状況下でも常に前を向いていました。
「大会が中止になった今、後輩に何が残せるか?自分たちの代はこの先の慶應バスケ部が強くなるための踏み台になれればいい。」
このような話し合いをしたのを今でも鮮明に覚えています。
この頃から、私がこれまで明大さんにしてもらってきたことを後輩に還元しなければならないと気付かされました。
その後は、それまで一人で行っていたこともなるべく後輩に任せてみることにしました。
「失敗しても当たり前。上級生である自分がどれだけ面倒を見れるか。」
そう考えながら、なるべく成功体験を積ませてあげられるよう試行錯誤しました。もちろん、誰かのミスでチームに迷惑が掛かったら、その責任は自分にあります。その分、二度手間だと思われようとも、入念にサポートをしなければなりません。時間を惜しみなく使い、明大さんの教えを少しずつ還元していきました。
このようなことを日々繰り返しているうちに、時はあっという間に流れ、気付くとバスケ人生に幕を閉じていました。

最後に

4年間を通して自分自身の弱さと何度も向き合わされたバスケ生活でした。それも全て、自分よりも優れた人が沢山いる集団の中に身を置いたからこそ得られた経験だと感じています。
このような環境下でも最後まで続けることができたのは、扱いにくい私を受け入れてくれた同期のおかげです。本音を言い合える関係を築けた同期は一生の宝です。コロナ自粛後に何の気遣いもなく「めっちゃ太ったな」と言ってくれる同期にはそうそう出会えないと思います。(笑)
私たちの同期は全員、何事も思い通りにいかない4年間を過ごしてきました。特に最後の一年間は同期だけでなく、チームメイト全員にとって苦労の多い年でした。しかし、どれだけ苦しい1年間でも、私にとっては試合に勝った後の仲間の喜ぶ姿を想像すれば、何も苦痛には感じませんでした。
最後の早慶戦で全員の笑った顔を見て終えたかったというのが本音ではありますが、昨シーズンのチームでやれることを全てやった結果なので、後悔はありません。あのチームでバスケが出来たことが本当に幸せでした。
最後になりますが、今の「木村直哉」という人間が形成できたのは、これまで関わってきた方々のお陰です。先輩方、同期、後輩、様々な人と出会えたことは私にとってかけがえのない財産です。この先も社会人として慶應バスケ部に何かしらの形で恩を返していけたらと思います。
長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。引き続き慶應義塾體育會バスケットボール部の応援を宜しくお願いいたします。
ブログリレー 木村直哉
2020年10月28日 16:09| Comment : 0
4年生になって見えてきたこと

はじめに
こんにちは。慶應義塾大学法学部政治学科4年、ならびに體育會バスケットボール部アナリストを務めさせて頂いております木村直哉と申します。
日頃より、活動へのご支援とご協力を頂きまして、誠に有難うございます。
今年は新型コロナウイルスにより、何事も例年通りにはいきません。今までがどれだけ恵まれていた環境だったかを実感しました。日々、バスケットボールが出来ることに感謝して、残りの期間を悔いのないように活動する所存でございます。
このような状況下ではございますが、「3部全勝優勝」「早慶戦優勝」に向け、日々精進して参りますので、今後とも何卒宜しくお願い致します。
昨シーズンを振り返って。
昨年の6月、3年ぶりの早慶戦優勝を果たした私たちは、リーグ戦での1部昇格が見えてきたと感じていました。しかし、結果は3部降格。想像もしていなかった結果に、チーム全員が呆然としていました。
今振り返ると、当時3年生だった私は、チームの為に「自分が出来る事」をただ必死に行っているだけでした。チームが勝つ為に、対戦相手を分析し、それを共有する。日中は試合の動画を5時間以上見ることは当たり前とし、寝る間も惜しんでスカウティングを行っていました。
しかし、最上級生になってみると当時の自分は不十分だったと感じています。
最上級生になって想う事
昨年11月に4年生が引退し、最上級生として【早慶戦優勝・2部復帰】を目標に掲げ、チームが再スタートしました。ところが、新型コロナウイルスの流行により、2月末より活動自粛。部員全員がもどかしい気持ちでいっぱいでした。しかし振り返ると、この期間があったからこそ、今の自分たちがあると感じています。
というのも、練習が出来ない分、オンラインでのミーティングが中心となり、「考える力」がつきました。(この話については、4年藤井のブログを読んで頂けると幸いです!)
そして、8月になり活動自粛が徐々に解除されると、変化は一目瞭然でした。以前の与えられたものをひたすらにこなす思考停止状態から、チームに何が必要かを考え発信する部員が増えてきました。特に自主練習は短時間で密度の濃い練習を行えるようになりました。以前までであれば、ただ本数をこなすシュート打っているだけでしたが、今では「試合ではどう動くか」や「自分の役割は何か」を考えて練習しています。

練習中にも話し合っています!
他の部員と同じように私自身も大きな変化がありました。「役割の変化」などの外から見て分かるような変化ではありません。それは、「全体像が見えるようになったこと」です。たったそれだけの事かと思われるかもしれません。
けれども、この考え方の違いで当事者意識を持って考える範囲が変わります。
昨年までの自分は「スカウティング」という一部しか見えていなかったため、チーム内で起こる他の事象に対して目を向ける事が出来ていませんでした。また、気付けたとしてもその事象は自分が介入する事象ではないと勝手に決めつけていました。
しかし、全体像が見えるようになった今、「スカウティング」はチームが勝つ為の一部でしかありません。チームが勝つ為には、スカウティング以外の事象に対しても、「自分が解決しなくてはならない。」と考えるようになりました。
存在意義
今年の代では部員全員が「自分がチームにいる意味」を考え続けてきました。その中で、スタッフの存在意義についても議論しました。私はこのような話し合いを通じて、これまでのスタッフに欠けていたことは「当事者意識」と「文武両道」だと気付きました。
今年のチームでは「文武両道」を「学び(文)と実践(武)を繰り返すことで識見を生むこと」だと解釈しています。つまり、学問と部活動をそれぞれ独立した道ではなく、混ざり合う一本の道と捉えています。
これらを日常生活に落とし込んだ例として、「練習中の声」が挙げられます。
以前から、「練習中のスタッフの声が少ない」という課題がありました。
まず、そもそも当事者意識が無ければ、声を出すことができません。けれども、そのとき、ただ声を出せば良いというものではありません。その声には「責任」が伴います。その責任とは、「学ぶ責任」です。これはスタッフに限らず選手も同様ですが、練習外でバスケットボールについて学ばなければ、正しい意見は発信できません。したがって、練習外を「学び」の場、練習中を「発信」の場と考える必要があります。
このような考え方をチーム内に浸透させていくことで、徐々に雰囲気が変わっていきました。スタッフは主体的に声を出すようになり、さらに、選手もスタッフの声に耳を傾けるようになりました。

提供元:慶應義塾広報室、撮影者:並木智美)
最後に
ここまで、昨年と比較しながら4年生になって見えてきたことを書かせて頂きました。こうして振り返ると、全ての行動や思考の根底には「チーム哲学」が欠かせないことに改めて気付きました。
そこで最後に、チーム哲学の中でも4年生が最も大事にしたいと考えている「コミュニケーション」について触れて終わりたいと思います。
何故、この「コミュニケーション」を重視したいかというと、部員全員がチームに対して当事者意識を持ち、上下関係を気にすることなく発信してほしいという想いがあります。
しかし、これまでにも書いたように自分の発言には責任が伴います。何も学ばず、発信ばかりするのはただの愚痴です。自ら学び、「どうやったらチームが良くなるか」、「試合に勝てるようになるか」を考え抜くことが必要です。この責任を果たしているのであれば、下級生・上級生を気にする必要はありません。
下級生・上級生・選手・スタッフ、どの立場であっても【3部全勝優勝・早慶戦優勝】のビジョンを核に、当事者意識を持つことで最高のチームをつくることができると考えています。そのための努力であれば惜しむことなく出し切る覚悟でいます。残り短い期間ではありますが、チーム一丸となって勝利を掴み取りに行きます。
今後とも慶應義塾體育會バスケットボール部への応援を宜しくお願い致します。
部員の一日 木村直哉(アナリスト)
2020年2月7日 20:00| Comment : 0

〇初めに
こんにちは!
慶應義塾大学法学部政治学科3年の木村直哉と申します。
バスケットボール部への入部を検討してくれている高校生に向けて、部員がどのように日々過ごしているのかを知ってもらいたいと思います!
私は慶應義塾高校出身のため、特に内部高生の方には参考にしていただけると幸いです!
※ここで紹介する一日の過ごし方はあくまで一例であり、部員たちは大学生活を充実したものにすべく、それぞれが工夫して時間の使い方を決めています。また、週に一度あるオフの使い方は趣味に使ったり、友人と遊んだり、一週間の疲れを癒すために温泉に行ったりと千差万別です。
これからも様々な部員の一日の使い方を紹介していくので、是非参考にしてみてください!
〇学校がある日の1日
・5:00 起床。都内の自宅から通っているため、この時間に起床しなければなりません。
・6:30 部室で着替えを済ませ、体育館に向かいます。
・7:00 選手がストレッチをしている間に、コートの準備を済ませます。ストレッチが済み次第練習が始まります。
・8:00 練習終了。同期と朝ご飯と食べます。
・9:00 授業があれば三田キャンパスに向かい授業を受けます。授業がない日は、部員と一緒に練習動画を見て、振り返りや分析を行います。そこで抽出した問題点を動画や資料にして選手に配布することで、練習の質が日々上がり続けるようにしています。
・12:00 友達や同期と昼食を食べます。
・13:00 授業があれば三田キャンパスに向かいます。火曜日は研究会があるため、空き時間で課題や準備をします。

・18:00 午後は自主練習のため、選手のシューティングのリバウンドをしています。
・22:30 帰宅。練習後に同期と夜ご飯に行くこともあります。
・24:00 就寝。翌日の練習に備えます。
〇学校がない日
・5:00 起床。都内の自宅から通っているため、この時間に起床しなければなりません。
・6:30 部室で着替えを済ませ、体育館に向かいます。
・7:00 選手がストレッチをしている間に、コートの準備を済ませます。ストレッチが済み次第練習が始まります。
・8:00 練習終了。同期と朝ご飯と食べます。
・9:00 部員と一緒に練習動画を見て、振り返りや分析を行います。そこで抽出した問題点を動画や資料にして選手に配布することで、練習の質が日々上がり続けるようにしています。他にも、チームがより良い方向に向いていけるよう、下級生全員と密にコミュニケーションをとり、不安や不満を取り除けるようにしています!
・12:00 友達や同期と昼食を食べます。
・13:00 選手の自主練習のサポートをします。シューティングのリバウンドや、その他の練習でもアドバイスをしています。
・18:00 帰宅。
・19:00 夕食。同期や友達と食事に行くこともあります。
・23:30 就寝。翌日の練習に備えます。
〇オフの日の過ごし方
スタッフの仕事を終わらせてから、同期や友達と遊びに行きます。


〇終わりに
練習の日はより良い練習を行うことを最優先に考えてスケジュールを組んでいます。学校が始まると、練習→学校→練習のスケジュールになるので忙しいですが、その中で最大限効果を発揮できるようスタッフの仕事に取り組んでいます。
リーグ戦や早慶戦前などは、一日中バスケ部のことに取り組んでいる日もあります。
一方、空き時間を有効に活用すればアルバイトをしたり友達と遊んだりゼミに入ったりすることも可能です!
これからも様々な部員の一日の使い方を紹介していくので、是非参考にしてみてください!