仲間への感謝 -山﨑 結香子

慶應義塾大学文学部人文社会学科3年ならびに体育会女子バスケットボール部の山﨑結香子です。どうぞよろしくお願い致します。

今年度私達は3部リーグにおいて、目標の4勝には届かなかったものの、入れ替え戦に行く事なく残留し「3部リーグ定着」への一歩を踏み出す事が出来ました。こうした成果を残せたこと、一年間活動を続けられたことは、応援して下さった皆様、OBOGの方々、保護者の方々、スタッフの方々のご支援のおかげです。一年間、本当にありがとうございました。

チームとしての感謝と同時に、私は個人として強く感謝したいことがあります。

一度留学でチームを離れた私を再び受け入れ、共に戦わせてくれた仲間に対してです。

私は1年生の時、選手としてバスケットボール部に入部しました。試合に出場させて頂き、尊敬する先輩方と一緒にプレーするのが楽しくて仕方がなく、どうすれば自分のプレーで勝利に貢献できるかを考える毎日でした。

2年生になり、私は留学に行くことを決意しました。当時の私は相当自分勝手で、同期や先輩後輩、スタッフの方々には本当に迷惑をかけてしまいました。特に同期は、話し合いに沢山時間を割いてもらったし、傷付けてしまったし、謝らなければいけないことばかりでした。それでも皆、見捨てることなく私の話を聞いてくれました。最終的な決断をした日、旧記念館で、誰もいない中、5人で宣誓をしました。録画した映像を見返すとどうしても泣いてしまいます。同期4人が、私がいない間も努力と苦悩を重ねてきた事を実感するからです。誓い通り、理沙は誰よりも本っ当に沢山シュートを打ってきて、誓い以上の辛い役を最後までやり抜いていたし、ニコは誰よりも自主練をしてきて、副将として別人のように頼もしくなっていたし、スイは苦しくて悔しい思いを沢山した中で戦い抜いて、チームに必要不可欠な存在だったし、沙樹は誰よりも速いプレーヤーになって、中心選手として引っ張っていたと思います。4人を心から尊敬しているし、OBOGの方から「この代はよくやった」とお声を頂けるのは、間違いなく4人が必死に戦い抜いたからです。

留学から帰った4年生の6月に、私はスタッフとして部活に復帰しました。同期4人の間ではきっと思うことが沢山あっただろうし、話し合いにも時間を使わせてしまったと思いますが、私が戻ってくることを認めてくれました。後輩も皆優しい言葉で迎えてくれ、今でも本当に感謝の気持ちでいっぱいです。皆の優しさに甘えるのではなく、自分の貢献によってチームを強くすると覚悟しました。

復帰してから引退までの期間は、留学前にスタッフを務めた時以上に、自分がチームの為に何をするべきかを考える生活でした。練習中の基本的な仕事も、選手の自主練も、技術的な提言も、チームを離れていた分の信頼を取り戻すために自分に出来ることは何でもやる気持ちでした。「信頼」と「価値提供」が、私がチームに所属する上で重要視していた軸でした。同期、後輩が自分の声を聞いてくれる有難さをいつも噛み締めていました。

練習メニューや試合のメンバーなど、試合に直結するような判断をするようになると、絶対にその責任を果たし、求められる以上の働きをしようと思っていました。自分は同期の支えになっているのか、自分を頼って相談してくれた後輩に価値ある言葉を送れたのか、チームの勝利に貢献できているのかと悩む時も決して立ち止まらず、日々の練習に集中し、ビデオを観る、メニューとメンバーを考える、試合のスカウティング、今のプレーはどうだったのか、何と声をかけるか、次は何をするべきか、と自分の役割を追求するようにしました。何よりもバスケ部の活動を優先させると決めていました。未熟な部分が多々あり、同期と後輩に支えてもらいながらで情けなく思うこともありましたが、最後までやり切る事が出来たのは、仲間の支えのおかげです。

最後まで戦い抜いた仲間

リーグ戦では冒頭述べた通り、3部残留という結果を残しました。4勝を達成出来なかった事は悔しいですが、最後に「いい代だった」という言葉を頂けて引退が出来る事は、本当に幸せなことだと思います。全員が当事者意識を持って考え、それぞれが役割を模索し、一体となって戦ったチームでした。後輩も一人一人に苦しい思いがあったと思いますが、4年生を沢山支えてくれ、3年生を筆頭に本当に頼りになりました。そんな代で皆と一緒に戦えた事、仲間として居させてくれた事には、感謝してもしきれません。

引退の日に後輩達がくれたアルバムや、引退ビデオのメッセージは、私の生涯の宝物です。

最後に、私が留学後バスケ部に戻ろうと思ったのは、同期のためでした。チームへの貢献は勿論ですが、同期が大好きで、また一緒にバスケがしたくて、今までかけてしまった迷惑と、積もり積もった感謝を返したかったからでした。「カイは復帰してもプレーヤーをやりたがると思った」と言われますが、バスケが大好きでやりたいという気持ちよりも、同期と一緒に部活をやるには何をするべきなのか、4人が悔いなくやり切るためには自分はどうするべきなのかを、一番に考えた上でのスタッフでした。そのためなら自分が現役でなくても、スタッフの仕事が苦しくてもいいと思っていました。この人達のためならどんなに自分がしんどくてもいいなと思える同期でした。受け入れてくれた大好きな彼女達の想いに応えたいというのが私の何よりの原動力でした。4人には本当に、誰よりも何よりも感謝しています。

私の原動力であった同期

留学せずに部活を続けていたらどうなっていたかを考えた事が無い訳ではありません。同期や先輩後輩との関係は今と違うものになっていたかもな、と思う事もありますが、それが後悔に繋がる事は決してありません。最高の同期、先輩、後輩と一緒に戦う事ができた、これ以上ない4年間でした。

私はこのチームが大好きで、本当に感謝しています。今まで、ありがとうございました。3年生を中心に、体育会女子バスケットボール部は更に飛躍していくと思います。これからも応援をよろしくお願い致します。

拙い文章でしたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。