4年生一人ひとりにインタビューを行い、ラストシーズンについて考えていることを語ってもらいました。
今回インタビューを行った4年生は、7月よりチームに合流し学生コーチを務めている吉岡絢子(商4・慶應女子)です。
今春まで慶應女子高のヘッドコーチとして活動した後に、学生コーチとして体育会大学女子バスケ部への入部を決めた彼女。約2ヶ月という短い期間ではありますが、既にチームに必要不可欠な存在となっています。高校・大学の両方でのコーチング経験を持つ彼女が考えるチームの魅力、そして今シーズンの意気込みとは?
是非ご一読ください!
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―今回インタビュアーを務めます商学部3年の武藤怜です。それでは早速ですが、自己紹介をお願いします。
商学部4年の吉岡絢子です。学生コーチを務めています。コートネームは「アヤコ」です。出身高校は、慶應義塾女子高等学校です。宜しくお願いします。
―早速ですが、これまでのバスケキャリアを教えてください。
バスケを始めたのは小学4年生の時です。出身の幼稚舎でバスケの指導をしっかりと受け、その流れで中高でもバスケ部に所属しました。高校生の時に膝の前十字靭帯を切ってしまって思うように動けない日々が続いたことで、バスケが好きだという気持ちをプレー以外の形で表したいと思い、高校の部活引退後はすぐに慶應女子高のコーチを務めることを決意しました。
これまでの大学生活は慶應女子高のコーチとして活動してきましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で自分がコーチとして参加する最後の大会が中止になってしまいました。そのように不完全燃焼な結果に終わってしまっていたところ、大学女子バスケ部のメンバーに声をかけてもらって、7月から大学で学生コーチを務めることになりました。
―中学時代からエマ(ビディンガー美亜・商3)と関わりがあったと耳にしましたが…
そうなんですよ!エマとは中学校の地区が同じでした。印象深いのは私が中学3年生の時の地区大会の決勝戦です。4Q残り8秒3点負けの状況で私が3Pシュートを打つサイドプレーで同点を目指していた時に、エマにしっかり守られてしまって…結果負けてしまいました。まさか1学年下のエマに守られるとは思わず、今でもその状況を夢に見ます(笑)そう考えると、この大学で一緒に活動しているのは、不思議な巡り合わせだなと思います。
―高校の部活引退後から、長期間にわたって慶應女子高のコーチを務めた感想を聞かせてください。
正直に言うと、孤独が強かったです。チームスポーツであるからこそ、コーチとしてチームを一番上で束ねなければならないし、コーチである私の他に監督がいなかったのでゲームの采配も全て私がやらなければいけませんでした。ただ、途中から1学年下のコーチと二人三脚でやるようになったので、凄くやりがいのある日々を送ることができました。
―今季から大学バスケのコーチとして携わってみて感じた高校バスケとの違いや、それぞれの魅力を教えてください。
1番感じたことは、説明したことをすぐにアウトプットする力が全然違うなと。例えば大学では、パス練習でキャッチの音が大きいと指摘をした次の1週間は、皆がパスの音を立てないようにしていました。自分の言っていることがより高いレベルで明確に伝わるところが大学バスケの魅力だなと思います。
一方で高校は、全員が強い気持ちで体育会に入部する大学とは違って、志をもってバスケ部に入部する人もいれば、部活動の一貫として入部する人もいます。異なる志を持った人たちが一つになることは難しいことでもありますが、それこそが高校バスケの大きな魅力です。
―コーチを始めてから自分が大切にしていることや、心に留めていることはありますか?
半学半教の精神です。これは慶應の理念です。完全に幼稚舎から慶應で培ってきた文化ですね(笑)というのも、自分が1年目から大きな結果を残してきたわけではないなかで、「人に教える」という上の立場に立つので、人に教えると同時に自分も学ぶということは常に大切にしています。
―今シーズン絢子さんと一緒に活動していくなかで努力家という印象を受けました。練習ビデオを一つ一つ詳細に分析したり情報を収集したりと、チームに多くの熱量を注いでくれていると日々感じています。そのような姿勢をもつようになったきっかけはどのようなものですか?
私が高3でヘッドコーチをやるとなった時に、補佐をしてくださった当時大学4年生のコーチが非常に多くの努力を重ねている方でした。そのコーチを見て、「これまでの自分のバスケへの愛情はこんなものだったのか、バスケが好きで自らコーチになった自分にはまだまだ愛が足りていない!」ということを思い知らされ…もっともっと自分のバスケへの愛情を努力という形で磨いていこうと考えるようになりました。
―絢子さんが尊敬している人について教えてください。
幼稚舎で私にバスケを教えてくれた先生です。その先生は元日本代表選手で、当時小学生である私に対しても大人と対等に接してくださり、高いレベルのバスケを教えてくださいました。そこで10歳ながらに考えるバスケットというものを学べたのは、今の自分のバスケットの糧になっています。
―高校に続き大学でも一緒に活動している慶應女子高出身の部員との関係性はどうですか?
高校の時、怪我でコート外から皆のプレーを見ていることが多かったので、皆にアドバイスをしたりコミュニケーションをとったりする関係性は、今も昔も変わらないのかなと思います。
―同期である4年生の印象を教えてください。
本当に努力家だなと。それは、一つ一つのプレーに対する努力もそうですが、このコロナ禍でバスケへの熱が冷めてしまったり、チームがバラバラになってしまったりすることも大いに考えられるなかで、コロナの影響関係なくどんな状況でも、変わらない感情で前を向いているところをとても尊敬しています。
―下級生の印象も聞かせてください。
3年生は良い意味で淡々としていると思います。だからこそ、バスケが上達するのだなと。必要のない感情やごちゃごちゃとした感情をなしにして、コート上では純粋にバスケのことを考えていることが上達に繋がっていると思います。
2年生はにぎやかです!一人ひとりの性格もそうですが、バスケットの観点でもそれぞれ違ったキャラクターがあることが面白く、切磋琢磨しやすい環境にあるので羨ましいです。
1年生は本当にバスケが大好きだという感情がよく伝わってきます。いつも楽しそうだなと。いまの環境は1年生として伸び伸びバスケをやれる環境だと思います。
―チームに途中から加わった絢子さんだからこそ分かる今年のチームの魅力は?
全員の志が同じ方向を向いているところが非常に魅力です。チーム目標といった大きなことから、練習の細かいルールまで、全員が同じ意思をもっていると感じます。大学でバスケを続けることはそれなりの覚悟があると思いますが、そのお互いの覚悟を前提とした関係性がとても心地良いですし、バスケに集中できる環境が整っていると思います。
―このチームで活動することはコーチとしての集大成でもあるのではないかと思っているのですが、絢子さんが最終的に目指している個人像はありますか?
一人ひとりの選択肢を増やせる人でありたいです。チーム全体の方向性をより良いものにすることは勉強すれば誰でもできますが、そのなかで選手1人ひとりの特性を見極めて、その選手がより多くのプレーの選択肢を増やし、自分のベストを選べるような情報を提供できる存在でいられたら良いなと思います。
― 一緒に活動した期間はまだ短いですが、すでに絢子さんからたくさんの情報やアドバイスをいただいています!それでは話題は変わりますが、リーグ戦2試合を終えた感想を教えてください。
苦しい接戦のなかで勝ち切ることができたのは非常に貴重な体験になりました。それは繰り返しになりますが、全員の意志が統一されているからこその結果です。負けている時も、勝っているけれどなかなか上手くいかない時も、皆が同じ気持ちで臨んだからこそ得られた勝利です。課題もさまざま見つかったので、それを解消して次の成長に繋げるのが楽しみです!
―今シーズンは残りのリーグ戦4試合や、今後開催予定の六大学対抗戦・早慶戦(日程未定)と、まだまだ濃くなりそうな予感がしています。最後に、今後の意気込みをお願いします!
学生コーチとして選手に情報をアウトプットしていくのはもちろん、自分自身のインプットや成長を絶対に継続し、もっともっと選手の成長の力になれるように努めたいと思います!
―ありがとうございました。絢子さんの努力に負けないよう私も全力で頑張りたいと思います。まずはリーグ戦を全員で戦い抜いていきましょう!
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ご覧いただきありがとうございました。
新しい戦力を迎え、パワーアップした今シーズンのチーム。先日開幕した第70回記念関東大学女子バスケットボールリーグ戦でも開幕2連勝した勢いそのままに戦い抜いていきます!
引き続き、慶應女子バスケ部の応援を宜しくお願いいたします!