4年生ひとりひとりにインタビューを行い、ラストシーズンについて考えていることを語ってもらいました。新入部員インタビュー・2年対談・3年対談に引き続き、慶應女子バスケ部について、4年生5名について詳しく知っていただきたく思い、このようなインタビューを企画いたしました!
今回インタビューを行った4年生は、足立はな(ノア・法法4)です。
昨年度は副務として、今年度は主務としてプレイヤーと兼任しながらチームを支えている存在です。そんな彼女が考える今年のチーム、ラストシーズンにかける想いはどのようなものなのか。
是非ご一読ください!
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―こんにちは。今回インタビュアーを務めます商学部3年の眞尾瞳です。それではノアさん、始めに自己紹介をお願いします。
法学部法律学科4年でチームの主務をしています足立はなと申します。コートネームは『ノア』です。ポジションはフォワードで、出身高校は聖心女子学院高等学校です。
ーでは、まずこれまでのバスケキャリアについて簡単に教えてください。
最初にバスケをしたのは小4のときのクラブ活動で、その後中高6年間バスケ部でした。平日週2回の練習・月に2回ほど土曜日に練習をするような部活をほとんどやらない学校でゆるゆるとバスケをしていました。高3で経験のあるコーチに変わったことがきっかけで、試合に出る5人の特徴や役割がはっきりしたチームになってからはバスケを競技として楽しいと感じるようになり、バスケを辞めてしまうのはもったいないなと思って大学でもバスケを続けました。
―自分のプレースタイル、得意なプレーを教えてください。
走ることが得意です。また、良い流れでパスをもらって打つ3ポイントに関してはだいぶ確率が上がってきているなと思います。しかしまだ課題もたくさんあります。自分のドリブルからシュートを打つといった、自分の判断で打つ3ポイントはまだ確率が悪いので練習していきたいです。
ー自分の尊敬する人、目標としている選手はいますか?
1個上の先輩であるニコさん(重増志保・R元年卒)です。ニコさんが悩みながらも地道に努力し続けていた姿勢を見てきたので、昨年4年生としてコートに出てがむしゃらにリバウンドやルーズボールに飛び込んでいる姿がかっこいいなと心から思いました。また、試合に出ていない立場も分かるからこそ頑張るという言葉をしっかりと体現してくれていたのも感動しました。自分の思いと仲間の思いを背負って実際にプレーで体現する、ニコさんの人間性を本当に尊敬しています。
また、リョク(井出友美・理工2)のプレーは尊敬する部分が多いです。リョクはガードとして自分が率先してプレーを回すという印象は与えないものの、しっかり各プレーヤーのことを分かった動きをしようとしているところが良い意味でちょうど良い。また冷静で熱くなりすぎないということもあり、プレーが安定しているので、コートにいると安心感を与えてくれます。
―昨シーズンについての個人の振り返りをお願いします。
3年間活動してきた中で、本当の意味で最も充実していたシーズンでした。その理由は自分の役割が分かっていた1年だったからです。1年生の頃は試合に出られなくても、まだ1年生だから頑張ろうと切り替えていました。2年生になると、自分はプレーで何もできなかったのですが、プレー以外に何をするべきか考えたときに明確な答えが出せず、個人的に辛い1年でした。3年生になった時に自分の考え方に変化が起きました。この考えの転換には2つの理由があります。1つ目は、チームに貢献できるのはプレーだけではないと考えるようになったから、2つ目は自分が次に4年生になるということを意識し始めたからです。4年生になるまでにプレー以外で信頼されるところがないと最上級生として恥ずかしい、と覚悟が変わりました。試合に出ることを諦めたわけではありません。コートでの活躍だけにこだわりすぎない考え方に転換できたことで、練習中の動き方やチームメイトとの関わり方をもう一度自分で考え直すことができ、楽しめた1年だったなと感じています。
―今シーズンの意気込みを教えてください。
プレーでは、試合に出る機会が与えられたら0以上のことをするということを絶対に全ての面でやろうと思っています。メインで出ているメンバーを休ませなければいけない場面でコートに出た時に、穴をつくらないかつ、オフェンスでもディフェンスでも何かプラスのことができるような選手になりたいです。チーム全体としては、私たちの代が終わるときに、悪い意味でやっとこの代が終わった…と思う人が0でありたいです。つまり常にいろんな面で我慢している人が少ない状態にしたいです。
―スローガン『覚悟』について、どう考えていますか?
かなりスムーズにこのスローガンは決まりました。チームや個々の理想を出し合って話したうえで、各自が単語に落とし込み、思いついたら言っていくという形でスローガンを決めていきました。
この『覚悟』には3つの意味があります。1つ目がチームの外に対する覚悟です。昨シーズン3部定着を果たすことができたので、3部定着に満足しているだけと思われることは絶対に嫌です。なので、しっかりと2部に向かって進んでいくという覚悟をチームの外に示していきたいです。2つ目が4年生として3年生以下に魅せる覚悟です。自分たち4年生全体としては、試合に出る主力メンバーではありません。それでも私たちの代で覚悟をもって3部1・2位リーグ出場という目標に向かうので、それについてきてほしいという意味で、覚悟を後輩たちに魅せていきます。3つ目は全員が同じだけの覚悟をもって戦うチームになるという意味です。お互いに信頼し合い、試合に出る、出ないは関係なく全員が同じレベルの覚悟をもつことで、お互いの覚悟を増強させられるようなチームになりたいと考えています。この3つの意味で自分の中のチームの理想ともリンクしてしっくりきています。
―今年のチームの魅力は何ですか?
キャラが濃い上に、繋がりがたくさん生まれているところです。先輩後輩関係なく、この人はこういういじりをしていい、この人はこういう特徴があるなどみんなが知っている上でそれをしっかり話せているところはチーム力として今年のチームの魅力です。
―今年のチームの理想・最終的になりたいチームを教えてください。
全員が、今年このチームがこの結果を出せたのは「自分が○○したからだ!」と思えるくらい、それぞれが我慢をせず、達成感を感じられるようなチームにしたいと思っています。どんな面でもいいので、全員が何か1つは満足していて欲しいです。
―良いチームとはどんなチームだと思いますか?
良いチームは、チーム全員がそのチームにいる自分のことを好きだなと思えるチームだと思います。要素としては、周りが自分を認めてくれている、またそれが伝わってくることや自分の素の部分を受け入れてくれることが挙げられます。みんながこのチームにいる自分を認められるようなチームにしたいです。
―同期について思うことを聞かせてください。
ソラ(梅田香・環境4)は何も考えてないようで、実はしっかり考えていてそれを体現しているところがすごいです。雰囲気でチームを盛り上げているようでも、実は最近○○と距離を詰めようとしているなどの話を後から聞くと、普段の行動の意味が見えてきて面白いです。見えないところでいろいろ考えていて、それを後輩に感じとらせない彼女のやり方はかっこいいです。
ヨウ(白藤優果・理工4)は絵に描いた努力家です。特にコツコツ頑張れる人で、その努力を本人は当然だと思っているところがすごい。背中で見せられる人として私も刺激を受けます。コミュニケーションをとって発信していくソラとは対照的に、ヨウは行動で示してチームを引っ張ってくれています。2人は真逆のところがある分、バランスの良い主将・副将コンビです。
ナミ(小福川莉奈・法法4)は同期の中で唯一、ずっとプレーでもチームを引っ張ってきてくれました。コート上ではナミ1人に背負わせてしまっていたことに申し訳ない気持ちがありますが、それでも持ち前の精神的な安定感でいつも変わらずにいてくれてありがたいです。
アコ(柴田祥子・経済4)は問題児ですが(笑)、とにかく真っ直ぐな人です。練習でアコが指摘することは核心を突いていることが多く、よく同期とぶつかることもありますが、正しいけれどもみんなが言いにくいことを伝えてくれる、彼女の性格にはいつも助けられています。
―では、他学年の印象の教えてください。
1年生は「自分」をもっている人が多いと感じています。しっかり意見を言ってくれて、先輩に任せるところは任せつつ自分が何をするべきかを冷静に考えることができる印象です。
2年生は愛に溢れた学年です。普段の生活を見ていて、本当にお互いのことが好きなんだなと感じます。相思相愛が良い意味でバスケに反映されて、練習のモチベーションや試合に出ている同期を一生懸命応援することに繋がっているのではないかと感じています。
3年生はお互いにプレー面でのリスペクトがあって、そこから普段の信頼も構築されている印象があります。常にバスケを中心に考えられている分、意見の食い違いや衝突もありますが、バスケを通して同期と向き合おうとする姿勢はすごいです。
―チームの注目選手は誰ですか?
たくさんいるなかでも、個人的にはイチ(阿部七奈子・商1)に注目したいです。入学前に一度練習に参加してくれた時、控えめだけどやっていることはすごいなという印象でした。また、縦割りで話している時もイチが指摘するところは新しい視点が多く、なるほど!と思わされます。あまり表には出さないけれど、実は内に秘めた積極性があると個人的に思っているので楽しみです。
―自分がこの1年で最も心に留めていること「これだけはやるぞ!」ということはありますか?そんな自分のルールを教えてください。
3つあります。1つ目は言動に嘘がないようにすることです。やると決めたことは忠実にやりきり、できないのであれば無責任にやる・できると言わないように気をつけていきます。2つ目は、頑張れば誰にでもできる細かいところを徹底することです。例えば、ラントレーニングでの折り返しラインは踏むのではなく越えることや練習中にコート上で絶対に歩かないことなどを徹底してやります。3つ目は自分で攻める意識をもっともつことです。今まで、自分のプレーに自信がなく、誰かにやってもらうための動きに徹してしまうことが多かったです。しかし、自分で攻められる人が自分で攻めるのをやめることはできるけれども、自分で攻められない人が急に自分で攻めることはできないということに気づきました。なので、自分で攻められるようにしておくために練習中から攻める意識をもち続けます。そして、いざコートに出るときに、自分に求められる動きを見極め、合わせの動きを重視するプレーと自分で攻めるプレーの使い分けができるようにしていきたいです。
―最上級生とはどんな学年だと思いますか?そしてどんな最上級生になりたいですか?
最上級生とは良くも悪くもチームの顔になる学年です。そのため、自分自身が何をしたかに関わらず、チームに起きたことについては自分たちのせいだと思えるくらいの当事者意識が必要だと思います。最上級生がチームの顔として、みんなを良い方向に導いていかなければなりません。
その上でどんな最上級生になりたいかを考えると、後輩達から「“良い代”にしてあげたい」と思ってもらえるような最上級生になりたいです。こう考えるのは、自分たちが直接的にプレーでチームに貢献できる側面が少なく、本当に後輩たちの力が必要だからです。そのために普段の生活や練習の姿勢を大事にし、みんなからの信頼を得ていきたいです。
―プレーヤーと主務を兼任していることに対して思っていることを教えてください。
昨シーズンは副務を務めプレーヤーと兼任していましたが、仕事に慣れるまでは副務の仕事に囚われてしまっていました。例えば、昨年の合宿ではプレー中にも仕事のことを考えてしまい、実際練習に集中できていない瞬間がありました。練習でやるべきことがあるのに、仕事に囚われるようなモヤモヤとした感情が現れ、悩みました。4年生では主務に専念することを考えた時もありましたが、自分は何をするべきか、何がしたいのかを自問自答し続けるうちにやはりプレーヤーと主務の兼任をやり遂げたいという気持ちが強いことに気づきました。そこから、両者を切り分けて考え、それぞれに考えが及ばないように意識して過ごすようになりました。主務として責任を持って仕事をしながら、プレーヤーとしても成長できるように、これからもメリハリをつけて全力でやり遂げたいです。
―この自粛期間をどのように捉えていますか?
自分とチーム、チームメイトそれぞれについて再度考え、見つめ直す期間と捉えています。もちろん、練習ができなくなり、大会が中止になったのは非常に悲しかったです。しかし、それは仕方がないことと割り切り、この期間を通してチームメイトとの関係性を築くことを1つの目標として設定しました。オンラインですが以前よりも同期や後輩とコミュニケーションをとることを意識して過ごしました。
―今季が4年生にとってラストシーズンとなりますが、現在の意気込みをお願いします。
来年1つ下の代で確実に上位入替戦に進んで欲しいという想いから、今年は2部を見据え繋げる年にしたいと考え、2部昇格の一歩手前である三部1.2位リーグ出場を今年の目標にしました。今年は秋リーグの形態が変わるため、その目標を達成することは実質不可能になりましたが、私たちが今年引退することに変わりはありません。これはこれで運命だと思っています。なので、現在は今年の目標を立てた意図を振り返り、後輩が本当に「来年2部に昇格する」と思えるまでの達成感をもって終わることができる1年にしたいと思っています。練習が再開したら、ほぼ0に近い状態からのスタートになってしまいますが、できる限り詰めていきます。そして、終わり方として、私達も含めた全員が来シーズンが楽しみと思えるようにしていきます。
ー貴重なお話ありがとうございました。ノアさんらしい考えがたくさん聞けて興味深かったです。また今回のインタビューは、私のモチベーションアップにとても繋がりました!これからも一緒に頑張りましょう!
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ご覧いただきありがとうございました。
これまでには、他学年のインタビューや対談も掲載しておりますので、是非併せてご覧ください。
次回は、今年度副将を務める白藤優果(ヨウ・理工4)へのインタビューです。お楽しみに!