ブログリレー 山口智大

「For the team」

 はじめに

真に僭越ながら自己紹介させていただきます。慶應義塾大学文学部4年並びに体育会バスケットボール部所属の山口智大と申します。

はじめに、普段より慶應義塾体育会バスケットボール部のご支援をしてくださる多くの方々に感謝申し上げます。私たちが普段練習に励むことができるのは、皆様からの手厚いご支援と応援の賜物です。心より感謝し勝利を目指して精進して参りますので、今後とも変わらぬご支援ご声援の程、宜しくお願い致します。

この度ブログリレーを担当させていただくにあたり、何について書くか非常に悩んだのですが、1.早慶戦にかける想い、2.自分が3年間貫いてきたこと、の2点について書かせていただきたいと考えました。

同期の中では「早慶戦といえば山口、山口といえば早慶戦」で通っているほど早慶戦には特別な想いがあり、気合が入りすぎて少々長くなってしまいました(笑)。

拙い文章ではございますが、是非最後までお付き合いください。

私(私たち)にとっての”早慶戦”とは

今年で81回目を迎える伝統の一戦、早慶戦。会場が揺れる程の歓声の中繰り広げられるこの試合は、記憶に残る一生涯の戦いとなります(バスケ部HP引用)。一見大袈裟な謳い文句に聞こえるかもしれませんが、私にも一生記憶に残り続けるであろう試合があります。2019年度に行われた第77回早慶戦です。

当時の私は高校三年生で、高校バスケットボールから引退した直後でした。そんな中、ご縁が有りその試合に足を運びました。慶應の応援をすべく応援席に座りましたが、パンフレットを少し読んだだけでも分かる程早稲田は優秀なメンバーが揃っており、「これは厳しそうだな…」という声を何度も耳にしたことをよく覚えています。

しかし、試合が始まるとそんなネガティブな声は聞こえなくなりました。激しいディフェンス、捨て身のルーズボール、献身的なプレー、一体となるベンチ。確かに個々の身長や技術だけを見れば早稲田の方が優れていたかもしれませんが、チームとしては決して劣っていませんでした。結果も、接戦の末慶應が勝利。泣きながら抱き合って喜ぶ慶應のメンバーを見て、「自分もこのチームの一員としてプレーしたい」と強く思いました。私にとって早慶戦とは、”憧れ”や”目標”のようなものになりました。(これが「早慶戦といえば山口」な所以です笑)

その後無事入試を突破し意気揚々と入部した訳ですが、私はこれまで早慶戦に限ればプレータイムを一切得られておりません。今年が最初で最後の大舞台になります。何分間出場できるかは分かりませんが、それが10分でも5分でも、3分でも、あるいは1分でも、自分にできる限りの全力を尽くしたいと考えております。

また、代としても特別な思いがあります。実は私たちの代は入部以来一度も早慶戦で勝利することができておりません。全員が「自分達も勝って若き血を歌いたい」と強く思っており、その想いの強さはこれまでのどの代にも決して劣らないはずです。この強い想いを糧に、日々努力を重ねております。

本年度の早慶戦は6月24日に行われます。応援よろしくお願いいたします。

チームのために、できること

先述の通り、私はここまでの3年間ほとんどプレータイムを得られていません。その中で自分が何を考えながら日々努力してきたか、を語らせていただきたいと思います。

このような話を語る上で絶対に欠かせないのが、同じポジションで一つ下の後輩の髙島の存在です。彼は全国レベルの高校出身で、身長は190cmを超え、身体能力も高く、シャトルランを余裕で150回以上走り切ってしまうような体力の持ち主です。スーパーマンですね。先日の青山学院大学との試合でも2m近い選手を相手に全く引けを取らず、終わってみればスコアリーダーでした。本当に凄い選手だと思います。

このような素晴らしい選手と一緒に練習できるというのは本当に貴重な経験ですが(持ち上げすぎですかね笑)、逆に言えば、彼がいる限り自分が長時間試合に出ることはできないということです。

このような状況に置かれた時、どのような思考に至るのが正しいのでしょうか。2.3年生の間はそれを考え続ける日々でした。もちろん一人のアスリートとして、後輩に負けないよう自分の強みを伸ばしていく、というのも大切だと思います。今年のチーム内でも、良い意味での競争心を大切にしようという話が飛び交いました。闘争心を持ち理想の選手像を掲げ、それに向かってがむしゃらに努力すれば良いのでしょうか。試合に出られない中で自身の存在価値をどこに見出せばよいのか、悩む時期が続きました。

そんな中で私が出した答えは、「髙島にとっての良い練習相手」でした。高島とゴール下でぶつかりあえるような選手がいないと、それだけ彼の練習のクオリティも低下してしまいます。そのような存在になるために必死にウェイトトレーニングをし、結果として入学直後と比較すると体重は20kg近く重くなっています。

このようなことを考えながら3年間ベンチを温め続けてきましたが、今年になって短いながらもプレータイムを得られるようになってきました。そうなると単なる練習相手で満足している訳にもいきませんよね。最近は去年までとは異なり、格上相手に自分のどのような部分が通用するのかを試合を通じて確認しつつ、練習でそれを磨く日々を送っております。ここまでの3年間はなんだかんだ言いつつも苦しいものだったので(笑)、今はとにかくバスケットボールが楽しいです。楽しみつつも自分がチームに貢献するためにはどうしたらいいのか考え、勝つために、今後も精進して参ります。

ここまで長々と語ってきましたが、「貢献とか、練習相手とか、そんなこと考えながらバスケしてて楽しいの?」と思った方もいるかもしれません。ごもっともだと思います。毎年数十人もの新入生が入部を検討してくれますが、試合に出られないという現実と上手く向き合うことが出来ず、多くが去って行ってしまいます(それが悪いことだとは決して思いません、貴重な大学4年間なので)。

そんな中でも私が部の一員として努力し続けられたのは、モチベーションが「試合で活躍すること」よりも「チームの勝利」にあったからだと考えています。「憧れの慶應義塾體育會バスケットボール部の一員として勝利に貢献したい」という一心で門を叩いた私にとって、チームの勝利のためならどんな苦しいことでも頑張ろうと思えました。

また、このような強い想いを持って日々努力を重ねているのは私のような選手だけではありません。学生スタッフという形でチームに貢献しているメンバーもいます。特に、同期の用田(学生トレーナー)などは元々選手として努力してきたにも関わらず、途中からスタッフに立場を変えました。選手として続けていれば十分試合で活躍できるような実力を持っていたにも関わらず、チームの勝利を第一に考え貢献方法や存在意義と向き合った結果、そのような選択をしました。

このように、選手スタッフ問わず全員がチームのことを考え努力を重ねています。その姿をお互いに目にしているからこそ、より一層「このチームで勝ちたい」という想いが強くなるのかもしれませんね。

再び早慶戦に話を戻させてください。私は先程「個々では負けていたかもしれないが、チームでは勝っていた」という表現をしました。これは何故でしょうか?私は、その答えが先述した「このチームで勝ちたいという想い」にあると考えています。あの時の慶應は、本当にそのような想いが強かったのではないでしょうか。だからこそ、当時高校生だった私の目にも非常に魅力的に映ったのかもしれません。

おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございました。

繰り返しになりますが、私たちがバスケットボールに取り組むことができるのはOBをはじめとする日頃ご支援してくださる方々は勿論、関東大学バスケットボール連盟や各大学の関係者の皆様のおかげです。バスケットボールができることに感謝しつつ、サポートしてくださる皆様に成長した姿を見せることができるよう、これからも日々精進いたします。

ここで、改めて試合の告知をさせてください。今年度は6月24日に早慶バスケットボール定期戦が代々木第二体育館で行われます。あの日私が突き動かされたような最高のゲームを皆さんにお見せできるよう最大限の努力を重ねて参りますので、応援の方を何卒よろしくお願いいたします。

最後になりますが、改めて、今後とも応援・ご支援の方を何卒宜しくお願いいたします。最後までお読みいただきありがとうございました。